デクノボウの向かう方。
Anna
第1話 プロローグ
『俺はどこに行っても清掃員だ!』
俺の名は【澤田ミツル】38歳。結婚どころかまだ童貞という始末だ。身体も体型も平均値で38歳にしてはいい方だと思う。ママが「ミツルちゃんは顔が整っているからジ○ニーズにもスカウトされるわよ」と話していた.......なのにだ!一切!モテない!スカウトもされない!原因は仕事にあると気づいている…だがこの仕事を辞めるわけにはいかないこんな充実した仕事は他には無いからだ…というか昔からの夢だった......なんの仕事かって?知りたい?そうだ知りたいだろう。俺の仕事は、、
「清掃員だ!」
男友達からは「38歳にもなってマジワロス」「生きてる価値ないわ」などなど言われるが気にしない.....俺は掃除を『愛しているからだ!』
【ミツルは掃除を愛しまくった結果、ニートになったのである】
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「ねぇ〜お兄ちゃん夕飯何がいい?」
『我はカレーが食べたいな、妹よ』
コイツは俺の妹【サユリ】という。週に一回家に来てメシを作ってくれる。
「またカレ〜?先週もカレーだったじゃん」
『カレーが食べたいの!カレーが!』
カレーというのは実に素晴らしい食べ物だ...カレー粉を湯に入れ適当に野菜を入れるだけで出来上がる!冷凍もでき便利という言葉が一番似合う。
「え〜買いに行かないとないよ?カレー粉」
『そうだなぁ......妹よ!貴様にはクエストを受けてもらう!カレー粉を買ってこい!』
「お兄ちゃんが買いに行かないんならカレー作ってあげないよ?」
『分かったよ分かった買ってくるって』
乗り気ではないが、カレーを食べたいという気持ちが強く近所のスーパーに行くことを決意した。外に出ると見慣れた街の景色。雨が降り風が強かった
「お会計345円です。ありがとうございました」
なんということだ…このスーパーには取れない汚れもすんなり取れるゴールデンたわしが売っていたのだ!全国の主婦が買い漁るほどの人気商品。これを買えるとは運がいいな....。
『ちょっとアリサ!危ないってば!』
目の前に小さな女の子が走り去っていった。追いかけているのは母親か、声を掛けているが女の子は止まる気配がないみたいだ、この先は大通り飛び出したら大変なことになる。
『そっちはダメだ!!!!!!』
バンッッッッッッッッッ
大きな音と共に全身に痛みが走り身体が空を舞ったのを感じた。
『お、おい!あんた!大丈夫か!救急車を呼べ!』
意識が遠くなってきた...最初は身体が痛んだがもう痛みは消えた。目を開けようとするも開かない。
『あぁ俺は死ぬのか.....思い残すことが、あるとするなら...ゴールデンたわしで掃除.....た』
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