真夜中の愛の重み

江崎美彩

第1話

 ベッドが軋む音が静かな寝室に響く。


「ん……」


 目が覚めた瞬間にドサッと上半身に重みを感じる。

 

 オレンジ色の常夜燈が仄かに部屋照らす中で目をこらし、寝ぼけまなこで重みの原因を確認する。


 予想通り、寝相の悪い君が覆いかぶさっている。


 ほほに柔らかくて暖かな小さな手を乗せ、遠慮なく全体重を委ねる君の姿は無防備だ。

 安心した様に眠る君は可愛いくて、ほんの少しだけ名残惜しいけれど、さすがにこのままでは眠れない。

 そっと身体を引き離し君を元いた場所に戻す。


 今日だけで三回目のこのやり取りはきっと朝までにまだ何度か繰り返す。


 永遠に続きそうなこの寝不足の日々はいつの日か知らぬ間に終わりを告げるのだろう。


 ーー真夜中に感じる君の重みは愛の重み。


 そう心の中で呟いて、瞼を閉じた。

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真夜中の愛の重み 江崎美彩 @misa-esaki

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