2022/05/05(木)いつのことだか 思いだしてごらん♪思い出って何?遺品整理〜断捨離〜終活〜誰がために書き続ける

 先日、遺品整理をしていたら古いVHSビデオテープが出てきて、それが昔録画していたアニメ作品で「永久保存版」って書かれていたんです。でも、今や再生機がありませんし、その作品はDVD化されています。形見ではありますが捨てました。本人が永久保存版ということで残しておいた物なんでしょうけど、見返したことがないと思いますし、あぁ結局、冥土には持っていけない物ばかりなので、いろんな物を断捨離しましたけど、ある時、親族の方がこれまた古い8ミリフィルムまで捨てていて、そこには結婚式の様子が収められたものでした。それで「え!これまで捨てるの?」と訊くと「だって持っていてもしょうがないもん」と言うのです。何だかなぁ...それもそうだけどさ、何つーか資料として取っておきたい気もしました。私は未練がましく映画の半券とかゴミのような物でも捨てられない人です。そりゃ〜偉人でも何でもない歴史的価値のない一庶民の模様を描いたものではありますけど、何かもったいない気がしました。さらに断捨離が進み、なぜか私の物まで手をつけようとしていて、半ば冗談ですが、「これメルカリで売っていい?」などと言うので、「ちょっと待て、私が生きている間はやめて!」と念を押しましたが、それは死んだら捨てられる運命にあるということか。

 そこで思い出とは何なのかを考えてみました。思い出づくりとか言いますし、観光地に行ったら集合写真を撮影したりします。その時は別に後世に伝えるためなどとは思っていません。たぶん、のちの自分のために残しているのです。日本の総理大臣が1年交代で代わった時期がありましたけど、あれも一種の思い出づくり?元首相の肩書が付きますし。俺にも総理の椅子座らせてよ!みたいな...首相体験してみたい!的なノリで付き合わされた国民はたまったものではありません。映画ニュー・シネマ・パラダイスでは少年と映写技師のおじさんを中心とした人生を通した物語で映写機のカタカタカタカタという音とサウンドトラックがノスタルジーを誘っていました。学生時代に過ごした街の食堂屋さんが惜しまれながら閉店したというニュースを見ました。忘れられない思い出の味を食べた瞬間に思わず涙が出てしまう...そういうシーンが描かれています。私が演出家だったらそういうシーンを取り入れたい。生まれては消え、消えては生まれ、まさに諸行無常の如く人々の思い出は、今も誰かの胸の中でそっとその時を待っているのかもしれません。

 今では偏見で非常にステレオタイプな考えですが、特に一昔前は失恋した時に女性は長い髪をばっさり切って終わり、彼氏との思い出の品は全部処分...でしたよね。残す思い出と捨てる思い出があるんだなと思いました。自分の恥ずかしい過去の記憶、それは黒歴史とも言い換えることもできます。消してしまいたい、捨ててしまいたい一方、あえて反省の意を込めて残しておいてもいいのかなとふと思ったりもします。

 自分の思い出の品は、他人にはその価値が市場価格でしかわからないので実用的な物でかつ必要ならば残され、またメルカリかヤフオクで売却され、他の人に使ってもらうのではないでしょうか。そうでなければ生前に処分しておくことをおすすめします。ちなみに、私は予約投稿を利用しているのですが、今日だと5月5日5時5分にセットしています。この機能は1年先まで分刻みで指定でき、サイトによってはもっと長く設定できるみたいで、要望にも送ったのですが、できることなら10年先20年先まで予約できたらなと思います。タイムカプセル的な意味合いもありますし、何より何かこうヴァイオレット・エヴァーガーデンじゃないですが、死してなお書き続ける...誰かに思いを伝える...少なくとも本当の最終回を迎えるその日まで、未完では終われないのです。

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