長距離マラソン

お題：スポーツの排泄

長距離マラソン

　長距離マラソン。

　それは文字通り長いマラソン。もっとも走るより、歩くに移行してる。

　トイレが行きたいからと途中で寄ることはできず、そのまま排泄は流れてる。

　だいたい3時間もトイレを我慢することはできないのだ。

　優秀と褒められる彼女であってもそうだ。

　黄色い液体が足を伝ってってる。尿を漏らしてた。彼女はとても顔を真っ赤に染めながら、走ってた。恥ずかしいという気持ちは痛いほどわかるが、変わってあげられない。

　これは彼女と、もう一人の勝負なのだ。

　その選手もまた体液をこぼしてる。白い体液だった。近寄ったら、男特有のあの匂いがするかもしれない。彼女の対戦相手は、興奮してる。精子を含んだ尿を撒き散らしてるのだ。

　だから、彼女を抜くことはなく、すぐ後ろを走ってる。

　匂い、はね飛ぶ体液を感じるために。

　ひどいものだ。

　生徒会長と戦うために、どうしてこんなひどい争いをしなければならないのか。

　男と女。

　違いはあるが、ダメージは女の方がでかい。

　明日から、おしっこ女と言われないといいが、負けたらどうなるかわからない。

　勝てば、そういったことをやめるように男がなんとかするだろう。いじめ問題はきっちりと生徒会長として対処してほしい。まぁ、まず彼女の人気からしてそうなることはないだろう。栄光を称えてくれるはずだ。観客席からは、そういった暗いものはでていない。

　がんばれー、まけるなー。

　彼女の名前が連呼される。

　観客は生徒と教師。

　録画はされてない。持ち込みは許可されてない。

　隠し撮りはわからない。

　あくまでもグランドにいる生徒はカメラ（スマホ含む）を持ってない。皆応援に忙しい。

　ならば、校舎は？

　見てる人はいるだろうが、何をしてるのか窓が日光で反射してわからない。

　信じるしかない。

　この学校に変態はいないと。

　僕はといえば、時折彼女に近づいてタオル、水分補給のストロー付きペットボトルを渡す。これは対戦相手も同じで、副会長が近寄って支援してる。

　助けられるのはそれだけだ。

　勝ってと願い、その姿を焼き付ける。