71.「見捨てない」

 薄い金属が弾かれるような特徴的な音とともに、反射壁がシロウを取り囲む。

 エルミーを封じたのと同じ、反射の檻だ。

 手足をさらに〈リフレクト・シャクルス〉で封じている為、シロウは〈魔旋〉で脱出することもかなわない。


「ヘヘッ。偽もん勇者、捕獲完了~」


 ガラフがニヤニヤ笑いながらからかう。

 シロウはギッとグレムリン混じりの少年を睨みつけた。


「うるせえ! 雑魚がモブが雑種モングレルが!! 魔王の手下がでけえツラしてんじゃねえ!! こんなのは何かの間違いなんだよ!!」

「だからオイラたち、魔王なんかと関係ないってば……」

「シロウ様……」


 呆れ顔のガラフ。その横でルースは、シロウが自分と同じビスハ村出身のガラフを躊躇なく雑種モングレルと呼んだ事に、胸を痛めていた。

 エフォートは今日何度目かのため息をつく。


「シロウ・モチヅキ。王城でリーゲルト国王にやられそうになった時は、女神がコンテニューしてくれたそうだな」

「ああ?」

「また同じことを期待しているなら、無駄だ。女神の分体はミンミンから離れ、肉体を失った。もうあんな非常識な介入はできない」

「なん……だとぉ!?」


 シロウは絶句して、エフォートを見上げる。

 それはつまり、シロウにチート能力を与えたあの女神を、分体とはいえエフォートが退けたということだ。

 反射の魔術師がどんどん力を増し、仲間を増やし、自分を脅かしてく。

 シロウはここに至りようやく、自分が敵に回した男がただの咬ませ犬ではないことを認めざるを得なかった。


「……くせあっ! だが認めるくぉあよほおっ!!」

「え? 今、なんて言った?」


 ガラフが目を丸くする。


「おまおま、お前らこそ魔王の飼い犬ぅふ! 悪は勇者のオレが倒すんだはぁあ!! あくせオレがふじこ主人公なんだからなはあっっ!」


 もはや何を言っているのかわからないシロウ。反射の檻の中でただただ喚き続けた。

 サフィーネはシロウを無視することにして、エフォートに訴える。


「フォート、そろそろ〈ナイトメア・バインド〉の有効時間が切れるよ。聖霊獣もいつ活動再開するかわからない。急がなきゃ」

「そうだな。まずシルヴィア達も反射の檻に」


 そう言ってエフォートがシロウに背を向け、歩き出した時だった。


「――ッ!?」


 息をのむエフォート。

 空気をつんざく爆発音とともに、シロウにかけた反射の檻が破壊されたのだ。

 慌てて振り返るエフォート。

 そこにいた、〈魔旋〉の一撃で転生勇者を束縛から解放した者は。


「もう充分でしょ、ここまでにして」

「……リリン」


 エリオットが抑えていたはずのリリンが、シロウとエフォート達の間に割って入り、剣を隙なく構えていた。


「兄貴っ!? なにやってるのっ」

「えっ、あれっ? リリンちゃん、今消えて……目の前で消えたよ!?」

「消えた……?」


 サフィーネの叫びに慌てるエリオット。

 エリオットほどの実力者が見落とすというのなら、単純なスピードではないだろう。


「……〈闇の精霊シェイド〉だ」


 ポツリと呟いたのは、目まぐるしく変わる状況についていけないエルカード。


「リリンさんには、僕の精霊たちを譲渡したんだ。その精霊の力だ」

「なっ……なんで、そんなことをっ!」


 サフィーネが驚いて問い質した。


「リリンさんに、聖霊獣エル・グローリアを鎮めてもらおうと思ったんだ! 彼女は精霊たちと相性が良かった。けどこんなに早く、ここまで使いこなすなんて……!」


 エルカードは闇の精霊たちをその身に纏わせ、従わせているリリンの姿を見て、驚愕している。

 エフォートは真剣な瞳でリリンを見つめた。


「リリン、君はシロウのそんな姿を見てもまだ、彼に味方するのか?」

「そんな姿? ……そうだね。何も知らなかった頃のあたしなら幻滅して、エフォートのところに帰るとか節操のないこと、言ったかもね」


 リリンの後ろで、シロウは反射魔法の束縛を解かれたにも関わらず、座り込んだままアウアウと意味のない言葉を呟き、また叫び続けている。

 リリンは苦笑して続ける。


「けどあたしは、精霊の声でシロウの本当を知った。だからもう、見捨てない」

「精霊の声だって? まさかリリン、君は」

「フォート兄ちゃんっ!?」


 ガラフが悲鳴のような声を上げた。

 シルヴィアとエルミーを封じていた〈ナイトメア・バインド〉が破られたのだ。

 シルヴィアは蝙蝠の群れに姿を変え、エルミーを包み込んでから空を駆け、リリンの背後、シロウの元へと舞い降りる。


「坊やっ、しっかりするのじゃ、坊やっ!」

「モチヅキ様……?」


 人の形に戻ったシルヴィアとエルミーが、シロウを抱える。

 だがシロウは変わらずに、意味のない言葉を呟くだけだ。


「ふへはっ……オレは主人公……道具じゃねえ……あんたの奴隷じゃねえんだよほぉっ!!」

「モチヅキ様、何を言って」

「いかん。強い心的ストレスを受けて、記憶の混乱と退行を起こしておる。このままでは戦えぬのじゃっ……離脱する!」

「行かせると思うか」


 エフォートが身構え、その横に駆け寄ってきたエリオットが剣を、そしてルースが失ったアックスの代わりに両手杖スタッフを構える。

 さらにその後ろでは、サフィーネが拳銃グロックを構え、ガラフも魔力を蓄える。そしてミンミンが援護魔法のサポートに入った。


「ここまで追い詰めたんだ。シロウ・モチヅキ、もう逃がさない」


 宣言するエフォート。

 シルヴィアは冷静に彼我の戦力差を分析する。


(妾とエルミーの魔法は反射される。唯一リリンの魔旋は通じるが、前衛のラーゼリオン王子とルースを二人同時に相手しては、さすがのリリンもそれで手一杯じゃ。さらに向こうの後衛には、〈銃〉を使うサフィーネ王女に、承継魔法も操るグレムリン混じり。そして援護魔法のスペシャリスト、ミンミンがおる。……こちらもテレサとニャリスが間に合えば違ったが、今は坊やが復活できねば、勝てぬな)


「……やれやれ、やっかいなパーティに育ってくれたものじゃな……エフォート・フィン・レオニングよ、反射の魔術師よ!」


 シルヴィアが叫ぶ。


「坊やから〈女神の祝福〉は消えておらぬ! いくらおぬしでも、死なぬ者を相手にどうする事もできまい! 時間の無駄じゃ!」

「死ぬまで殺すだけだ。女神の祝福とやらがいつまで続くか、試してやろう」


 えげつない回答を、エフォートは冷静に言い放つ。

 どこまで本気かは分からないが、覚悟だけは本物だろうとサフィーネは感じた。


「……だったら、交換条件はどう?」


 リリンが隙の無い構えのまま、口を開く。


「エフォート。シロウ達を見逃してもらう代わりに、あたしがここに残るわ」

「……えっ?」

「リリン?」


 予想していなかったリリンの発言に、エフォートはもとより、シルヴィアたちも戸惑った。リリンは続ける。


「エフォートの目的は、あたしだったんでしょ? だから今この場では、あたしがあなたの元に残る。その代わりシロウは見逃してほしいの」

「な……なにを言って……」


 エフォートの指先が震えているのに、サフィーネは気づいた。


「勇者は逃がすことになるけど、その代わりにあたしは取り戻せるわ。どう?」


(……いけない!)


 誰よりも、ある部分では本人以上に、エフォートを理解しているサフィーネは、事の成り行きに焦る。


(フォートはリリンについて、まだ自分の想いを整理し切れてない……! 転生勇者を排して世界を守ることと、リリンを取り返すこと。その二つが同じ方角にあるうちは良かったけど……!)


 その二つの内どちらか選べと言われたら、エフォートに選択することができるだろうか。

 事実、彼はリリンの出した交換条件に対して答えに窮している。

 現時点で、転生勇者用に準備していた手はすべて晒してしまった。これが最初で最後のチャンスかもしれないのだ。

 今シロウを逃してしまえば、こちらの手の内を掴んだハーミットの入れ知恵で、次はどんな手段で来られるかわからない。

 この場でシロウを逃がすことは、明らかな選択ミスである。

 だがそんなことは、エフォートが一番分かっているはずだ。

 それでもリリンの申し出を即座に却下できない彼の気持ちを、五年間をともにしてきたサフィーネには痛いほど理解できた。


「……り、リリン……」

「フォート……」


 エフォートの指先が震え続ける。

 サフィーネは「リリンを選ぶな」と、想い人に叫ぶことができない。


「駄目だぁあっ!! リリンぃぃぃん!! お前も! お前もオレの傍からからいなくなるのかああっ!!」


 突如、シロウが火がついたように叫びだした。

 リリンの方に手を伸ばし、子どものように泣き叫ぶ。


「リリンんん! 行かないでくれえっ! リリンんん!!」

「……シロウ、アタシはどこにもいかない。今は離れても、大丈夫、味方だよ」

「味方……? ウソだぁあっ! そう言ったやつはみんな、オレから離れて行ったんだぁああ!」

「坊や、落ち着くのじゃ! ここはそなたの言う異世界じゃ、ゲンダイニホンではない!」


 子どものように暴れるシロウを、シルヴィアが必死でなだめる。

 その後ろでエルミーは、冷めた目で主人を見始めていた。


「なんだアイツら、ガキとかーちゃんかよ」


 ガラフが呆れたように呟くのも無理はない光景だった。


「選ぶことなんかねえよ、エフォート」


 エリオットが膠着した空気を砕くように、口を開いた。


「俺とルースなら、リリンちゃんを無事に捕まえることできる。なあルース?」

「えっ? ……ああ、二人がかりなら、なんとか」

「エリオット……ルース」


 エフォートは第三の選択肢を出され、ホッとしたように呟く。

 エリオットはにっこりと笑った。


「というわけだ。難しいことはいいじゃん? シロウは逃がさない。リリンちゃんも取り戻す。今、この場で」


 そしてシャキンッとラーゼリオンの宝剣を構え直す。


「どっちも俺たちのもの、ってことで!」

「……兄貴、かっこいい」


 思わずボソッと呟いてしまうサフィーネ。

 この呟きを、後に王女は大いに後悔することとなる。


「……交渉決裂だね。残念だよ、エフォート」


 リリンも構え、シルヴィアとエルミーも戦闘態勢に入ったその時だった。


 グルルアアアァアアァアアアッ!!


 ビリビリと森の全てを振るわせる、大音響の獣の叫び声が響き渡った。

 聖霊獣エル・グローリアが活動を再開したのだ。

 長い角を上にブンと振り上げ、ゆっくりとその巨体を起こす。

 〈グロリアス・ノヴァ〉にその身を焼かれたダメージは、少なくとも外見からは感じ取ることができなかった。


「……シルヴィア!」

「わかっておる!!」


 リリンに促されるまでもなく、吸血鬼はその隙にまたも姿を蝙蝠の群れに変える。

 シロウを、そしてエルミーとリリンも運んで空を翔けるためだ。


「逃がすかよっ!」

「シロウ様ごめんっ!」


 逃がすまいと、エリオットとルースが同時に襲いかかった。

 だがリリンがその行く手を阻む。


「させない!」


 ラーゼリオンの宝剣と、もともとはミンミンの物だった〈魔旋〉を纏った両手杖スタッフ、そして同じく〈魔旋〉を纏ったリリンのソードが、激しい音を立てながら撃ち合わされた。

 その後ろで、サフィーネは拳銃グロックの狙いを蝙蝠の群れの中心につける。


「悪いけど、やらせてもらうわっ!」


 バン! バァン!


 正確に連射するが、しかし。


「魔旋ぇぇん!!」


 リリンはその弾丸すら、たたき落とした。


「そんなっ!」

「リリンちゃん!? あれ? ほんとにリリンちゃん!?」

「リリン!? どうしてそんな強くっ……! アタシらの攻撃、読んでる!?」


 エリオットとルースの同時攻撃を捌き、さらにサフィーネの銃撃にまで対応してみせたリリン。

 その能力は、これまでの彼女の力量をよく知るルースをも驚かせた。


「ははっ、すごい〈精霊の声〉っ……あなた達がどこに打ち込んでくるのか、教えてくれる!!」


 それはエルカードから譲渡された闇の精霊・ケノンの力。

 通常の〈精霊の声〉の何倍ものスペックで、相手を探ることができた。

 その能力とリリンの剣士としての力量の融合は、最強の剣士を誕生させる。

 ケノンの力で相手の行動を先読みできるリリンには、サフィーネの射撃を含めエリオットとルースを二人相手にしてもまだ余裕があった。


「〈魔旋〉! ……どうしたのルース! やっぱり斧じゃないと調子でない!?」

「くっ!」

「リリンちゃん! おとなしく……裂空斬!!」

「裂空斬!! おとなしくなんだって? ラーゼリオンの王子様ぁ!」


 ルースとエリオットはそれぞれ技を相殺され、リリンを突破することができない。


「よし、ここはオイラが……っと」


 ガラフが魔法で援護しようとするが、ガクッと膝をついてしまった。

 そのまま倒れそうになったところを、ミンミンに支えられる。


「無理しないで、あなたはもう限界を超えてる。ボクが回復かけるから」


 そう言って魔法を施そうとしたミンミンを、ガラフは手のひらを向けて制止した。


「待って、ミンミンちゃんだってフォート兄ちゃんの手伝いで、魔力は結構ピンチっしょ? オイラならヘーキ、少し休めば戻るから……」


 そう言って下がってから、ガラフは簡易瞑想ライト・メディテーションを始める。

 一方、蝙蝠の群れに変化していたシルヴィアは、シロウとエルミーを取り込みながら、リリンを抱えることはできず焦っていた。


「リリン! 〈魔旋〉を解くのじゃ、そなたを抱えられぬ!」


 常に〈魔旋〉を発動させながら戦っていたリリンを、シルヴィアはその術の内に入れることができなかったのだ。


「シルヴィア! ……あたしのことはいいから、シロウを連れていって!」

「なに!?」

「どのみち、聖霊獣をあのままにしていけない……〈平穏の精霊エント〉を託された者として、アイツはあたしが封印しないと!」


 グルウゥゥゥゥゥ

 ガァオオオォォォッ


 聖霊獣が、黄金の双眸にエフォート達を捉えた。

 雄叫びを上げ、ゆっくりと巨体を動かし始める。


「くっ……ならばリリンよ、ひとつだけ教えるのじゃっ! そなた、知ったのじゃな、坊やの前世を! そして……あやつの正体を!」

「うんっ!」

「であれば、この場は頼んだのじゃっ!」


 蝙蝠の群れは、シロウとエルミーを連れて天高く昇る。


「行かせない!」


 拳銃から対物ライフルに持ち替えて、サフィーネは斜角を高く取る。

 射程範囲の広いライフルで、シルヴィア達を撃ち落とそうとしているのだ。


「やらせないって言ってるでしょ!?」

「ぐぅっ!」

「どわあっ!?」


 リリンが一瞬の虚を突いた打ち込みで、ルースとエリオットを弾き飛ばす。

 そして。


「お姫様っ! 覚悟ぉ!!」


 リリンは地を蹴って、サフィーネに向かって突撃を駆けた。


「サフィッ!!」


 その間に、エフォートが咄嗟に飛び込んだ。


「——ッ!」

「フォート!?」

「……なんだ。あんたの心は、とっくに決まってるんじゃない」


 リリンの剣先は、エフォートの首筋でピタリと止まっていた。


「エルミー!! エルミー、戻ってきてくれ、エルミー!!」


 エルカードが、蝙蝠の群れが飛び去った方角に向かって叫んでいる。

 千載一遇のチャンス、転生勇者シロウ・モチヅキを倒す最初の機会は、こうして失われてしまった。


 グルウゥゥゥゥゥ

 グルル

 グラオオオォオオォ


 そして聖霊獣エル・グローリアが再び迫る。

 リリンはすっと剣を引いてエフォート達に背を向けると、今度は聖霊獣に向かって身構えた。


「えっ?」

「リリン?」

「なにボーッしてんの? ほらルースも王子様も、立って立って。今度こそ本当に、聖霊獣アイツをなんとかしなきゃでしょ」


 リリンはついさっきまで戦っていた相手に無防備な背中を見せたまま、何事もなかったように呼びかける。


「なっ……貴女、自分が何をしたか分かってるの!?」

「ん? 小さいことに拘らないでよ、お姫様」

「小さいこと!? 私たちを玩具程度にしか考えてない女神に唆されて、この世界を我がものにしようっていうチート勇者を逃がしたのよ!? この機会を逃したら」

「だからそれが小さなことなんだよ、あの人にしたら。……あの人たちにしたら」


 そう言って、視線をエフォートに向けるリリン。

 エフォートはその幼馴染みの胸に、奴隷紋が黒く反応していることに気づいた。


「待て、リリン……お前、シロウの罰則術式が発動しているんじゃないのか!?」

「ん、大丈夫だよ。〈平穏の精霊エント〉が痛みを和らげてくれてる」


 胸に手を当ててリリンは答える。

 耐えがたい痛みを与えるはずの罰則術式。

 こうして普通に話して動けているということは、実際に精霊の力で痛みは緩和しているのだろう。

 だがその額にうっすらと汗が浮かんでいるのは、エリオット達との戦いのせいか。それとも痛みに耐えている脂汗なのか。


「無駄話をしてる暇はないよ。まずは聖霊獣アイツを弱らせよう、それからあたしが封印するからっ!」


 リリンは叫んで、駆け出した。

 サフィーネは自分勝手なリリンに苛立ち髪を掻き上げる。


「貴女が仕切らないでっ! ああもう、フォート、魔力は!?」

「ウロボロスの魔石を二個使えば、反射は何度かできる。ガラフ、借りるぞ」


 エフォートは簡易瞑想ライトメディテーションを続けているガラフの懐から、魔石を抜き取った。

 そのエフォートにウインクで返し、魔力の急速回復を続行するガラフ。時間を稼げばまた、エフォートにパサー出来る量が回復できる見込みだ。


「レオニングさんっ、お姫様っ」


 ミンミンがタタッと駆け寄ってきて、エフォートの背中に両手の平をペタリとくっつける。


「ボクが魔術同期シンクロでフォローする。消費魔力を少しは減らせる筈だよ」

「わかった、ミンちゃんお願いね。兄貴とルースは、リリンを援護して!」

「わかった」

「オッケー!」


 ラーゼリオンの天才剣士と、オーガ混じりの怪力戦士が飛び出した。

 エフォートは、誰に聖霊獣の攻撃が来ても反射出来るように、身構える。


「フォート、兄貴の方を特に気をつけて」

「えっ?」

「フォートが来る前のエル・グローリア、妙に兄貴の方を見てた気がするんだ」

「……わかった」


 そして、災害級の古竜を超える力を持つ聖霊獣エル・グローリアとの最終決戦が始まった。

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