歩く
よねちゃんなのね
第1話 歩きだす
歩きだすのに理由はいらない。
ただ思いつきさえすれば良かったのです。歩く、と。
それは夜明けの前でした。星が夜空で遊んでいる頃でした。扉はそっと開いて、そっと閉じられました。
「私は自由。あの星空へも行けるだろう」
少しひんやりした空気は私の希望をくっきりと光らせるのでした。
それを見ていた星たちはアハハハハっと笑ってチラチラと瞬くのでした。
そばで、ツーっと小さな光がはぐれて流れていったことにはどの星も気づいていないようでした。
私は星空の下をゆっくりと歩きだすのでした。
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