第3話 夜中に響く鐘を纏う何か

……この時期は本当に体の変調のせいか

変な体験を稀にするし、変な夢をよく見る。

まずは、話を始めるために

どんな夢を見たのか、ちょっと思い出そうと思う。

……うーん。


たった数日前なのに、もう覚えていないのだが

たしか、えっと、とてもメンタルにくるような

悪夢の類だったと思う。

その夢が覚めた直後のことだった。

自室は二階なのだが、二階の窓の外から


リーン……カラコロ、リーン


といった感じの複数の鐘が鳴るような不思議な音を

引きずりながら、何かが自宅の敷地外すぐの

道路を歩いて行っているのが分かった。

十数秒間、動けないまま、その鐘の音を聞いていて

消えると、身体が動くようになった。


あれは何だったのだろうか。

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