「同じことをして様子を見ろよ」

「え」

「だからさ、誰か女とデートでもして、

イチャイチャしてる現場を橘ヒナタに見せてやれよ」

「あ、それ、やる？」

「言っとくけどな、そんなことでもしないと

向こうは動かないだろ。現に今だって変な行動で好意みたいなのを示してはいるけど、

言動には出さないんだから、こうなったら、お前がされたことと同じこと向こうにしてやれよ」

シンヤの奴は淡々と言ってのけ、

「じゃなきゃ進まないだろ？悔しいまんまだろ。もしこっちが告白しちまったら、

向こうの思う壺かもしれないし。

ここは嫌いになったフリして他の女と恋人繋ぎしちまえよ！あ、そうそう。

あんまり提案したくはないし(俺が氷室レナのことは好きだから)、お前も好みじゃないって言ってたから氷室レナ以外の女がいいんじゃないか？取り敢えず、恋人のふりをしてくれる

やつを頼めよ」

「ええー」

「言っとくけど、お弁当は意外にも美味かった。いい嫁になるんじゃねぇのか？？」

「おまえから返すだろ？ご馳走様って？」

「いや、返さないよ。

だって、俺、距離を置かなきゃだからな！

き、嫌われなきゃいけないんだからな」

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