神童

「シンジはさ...。勉強頑張ろうとは思わないの?」


「俺は、勉強嫌いだもん。

お前みたいに頭良くないしさ。塾に行くお金だっておれん家にはないし...」


「ゲームばっかしてるよね?

どーせ、また、明後日もゲーセン行くんだ?」


「おう。シンヤと一緒に格ゲやりにいく。

ストレス発散だよ。コンビニでバイトした金の半分は家に入れて、あと半分は、ゲーセンで使う。俺は将来、プロゲーマーになって

稼いでやるつもりでいるからさ」


「まぁ、それもアリかもだけど。

シンジだって、本気で勉強すれば学年一位取れちゃうと思うのに。だって、小学生の時はシンジのこと神童だって、担任の山田先生が言ってたじゃん」


遠い昔のことだった。

確かに俺は、ほかの奴らより百マス計算が早くできたり、竹取物語の暗記だって

スラスラできた。


それで、担任の先生は神童だって

褒めてくれたけど。妬まれたら妬まれたで、

靴隠しとかされっから、それが嫌で手抜きを

覚えたんだっけな。


そのうち。

手抜きしてた方が身体も楽だし、妬まれることなく、

周りとも上手くやれることに気がついて。


俺は勉強から逃げ、ゲームの世界に傾倒して

しまったわけだな。


幼馴染とこんな会話をして帰ったのが金曜日のことだった。

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