猩々袴

山道を歩いていると様々な山野草の開花と遭遇するのだが、いつも開花時期とドンピシャという分けにはいかない。もう1週間早ければ綺麗だっただろうなあ・・ などとガッカリする事はしばしばなのだ。その時思うのが、花の色は移りにけりないたずらに・・なのである。


*花の色は移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせし間に*


この歌の作者 小野小町は 平安時代前期9世紀頃の女流歌人で 小倉百人一首にもこの和歌が収録されている。


和歌の解説本によると・・

花の色は

うつりにけりな(色があせること。)

いたずらに

我が身

よにふる(世に雨が降るをかけている。)

ながめ(長雨と眺めをかけている。)

せしまに


なのだそうで・・

「花の色は、すっかりあせてしまいました。むなしく長雨が降り、物思いにふけっている間に。」

ということになるのだそうで、人生にも当てはまる意味深い歌だ。

子供の頃 人生が永遠のように感じていた時期があったが・・ あれは何才頃の事だったのか・・振り返れば人生などあっという間では無いか・・



(猩々袴)ショウジョウバカマという植物がある。この漢字はそうとう博識で無ければ読めない字だ・・(笑)

https://kakuyomu.jp/users/minokkun/news/16817330653163313493


猩々しょうじょうとは、中国の空想上の動物で 猿に似て人の言葉が分かり 酒を好むという。

この花の色が、酒に酔った猩々しょうじょうの顔色を想像させるのと、まるで猩々しょうじょうはかまのような葉の姿から その名がついたと言われる。


この花を見てその様な連想が出来るとは あんたはいったい どんだけ?!! と突っ込みを入れたくなるのだが、誰が命名したのかは知らない。


比較的に標高の高い日当たりの良い場所に群生している。あまり見かける事は無く、 ない所には無いが 有るところには群生をする植物だ。舞妓さんのかんざしみたいな花がとても可愛い・・

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