37日目 尊敬している人

 昨日は、朝からやる気だったが、ご飯食べて色々したあとにもう疲れを感じてビックリした。


 食事して疲れるってなんだろう。


 ふぅ。


 こまりは何故だか心の中で師匠と崇める、尊敬している人を思い出した。


 彼は久保田さんという。


 以前こまりがパートとして働いていた会社のスタッフの1人だ。


 第一印象は「学生さんかな?」。

 見た目がとても若い久保田さんは大学生に見えたが、面接の席に社長とともに座っていた。


 服装規定のない会社なので、思いっきりラフな格好だった。Tシャツ、ジーンズ、サンダルみたいな。


 前代未聞の面接内容(予告のない実技テストがあった)があり、あまり上手くできなかったので、こまりは落ちたなと思った。


 エントリーシートで手先が器用かの欄に

『2センチ四方位の紙で鶴が折れます』なんて書くんじゃなかったと思った。


 面接の30分後位に、電話が掛かってきて採用を告げられた。


 謎の採用、できなかったのに。そう思った。


 採用1日目、出勤すると、久保田さんに何か期待したような目で見られた。


 なんすか?と思った。


「立花さん、何も言ってくれないんですか?」


「えっ、何がですか?」


 この人に何か言うことがあるとは思えなかった。何か髪の毛短くなった?とは思ったけど。


「立花さんの面接のためにカツラ買ったのにー」


 えーーー?!


 彼の話では、面接の前に自分で髪の毛を切ったら切りすぎてしまい、『これでは面接で印象が悪い』と思ってカツラを買って着用していたらしい。


 確かに髪の毛は短かったが、それで私が採用を辞退することはなかったと思うのだが。

 カツラ買う?被る?採用1日目に人の髪型に私は突っ込めないよー


 明るく笑う彼のことを、こまりは『この人すごい』と思い、懐いた。


 久保田さん、まじ尊敬っす!


 彼の尊敬エピソードはまだまだあるが、連絡をとりたくなってしまうので、今日はここまでにしておこう。


 外したカツラが机の上に鎮座していて、別のスタッフが


「なにこれ!?動物?!」と騒ぎになったのはまた別の日のことである。




【今日できたこと】

 ・尊敬する方を思い出し、自分も頑張ろうと思った。

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