カレーに生まれ変わり

よねちゃんなのね

第1話 カレーになりたい

生まれ変わったらカレーになりたい。

カレーになりたい。

カレーになりたい。

カレーになりたい。


……。


ある日ボクは念願叶ってカレーライスになれた。

なぜカレーになりたかったかって?

それは。

みんなに好かれたかったからだっ!!

「みんな大好き、カレーだよー!」

「わーい! カレー好きー!」

人から嫌われることが、耐えられなくていつも怯えていた日々に、さようなら。

ボクはもう、カレーライスさ!


さあ、お食べ! かわいこちゃん!


「あたし、カレー、キライ!」

(え……)

「あたし、やきとりがスキ!」

(え、えぇ……)

「コラ、せっかく心を込めて作ったんだから、食べなさい!」

「やだやだー!」

「カレーさん、泣いてるよ?」

(泣いてるよ……)

「でも、キライー! エーン!」

(エーン……。そっか。)


ボクはイヤイヤちょこっと食べられて、残された。

今度は、やきとりに生まれ変わりたいな。


……。


ある日ボクは念願叶わずに、カレー味のナンピザになっていた。

なぜ、神様はボクをカレー味のナンピザにしたんだ?

ボクはやきとりになりたかったのに!!


「へーい、おまちどうさま。カレー味ナンピザですー」

「おっどうも!」

なんか、ニコニコしたお兄さんのカウンター席に運ばれた。

「う~ん! ナンピザー! このカレー味。旨ぁい!」

旨い旨いって食べてくれる、お兄さん。すごく嬉しい。

「よかったね」

ん? 聞き覚えのあるような。お兄さんの横にはきれいな女の人。あ! あの子だ! カレー残したあの子!

「食べる?」

「いらないよ。私はやきとり!」

「好きだねー、やきとり!」

「美味しいよ。やきとり。好きだねー、カレー味のナンピザ!」

「うーん。最高! このカレーとチーズがねー!!」

お兄さんは、ハフハフ美味しそうに食べてくれた。


「ごちそうさま!」

「ごちそうさま!」

嬉しかった。カレー味のナンピザのボクを大好きと喜んでくれて。

「あーあ! 帰ったら、カレーライス、食べよっかなー?」

「好きだねー?カレー?」

「大好きだよ! カレー!」

(大好きだよ! カレー! かあー!)


今度生まれ変われるなら、やっぱりカレーがいいかな!



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カレーに生まれ変わり よねちゃんなのね @yonechantokakuyo

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