ゾンビーズ・ウォー・ザ・デット

ニノケン(ニノ前 券)

序章

第1話 ゾンビ出現

ブラック企業で働く28歳のサラリーマン、鈴木葉介(すずきようすけ)。


今日も10時間残業し、そのくせ休憩は30分。

しかし実家に帰ることはできない。虐待する親だからだ。


「明らかに労働基準法に違反してるのになんであのクソ上司は逮捕されねえんだよ。」


そう思いながら電車に揺られる。


電車のアナウンスが響く。

「次はー、池袋、池袋。」


「ああついに我が家に―!」

その安心感で席を立った。


すると


バリン!


窓が割れた音がする。


「なんだ?」


振り返るとそこには異様な光景が


「ヴー、ヷー!ヴー、ヷー!」


何やら異様な声がした。


そしてそこには、傘を持った人間が光のない目でこちらを見つめていた。

その手には、爪が伸びていた。


「わー!」


「これは悪夢か?!それとも現実か?!早くついてくれ!」


その願いが通づるはずもなく。


ゾンビが傘で葉介を殴った。


「がっ!」


ゾンビは爪で葉介をひっかく。


「ヷー!」


そう絶叫した。


「ああ、俺は、ゾンビ化するのか?!」


そのことを本能で察した。


やがて。


「池袋。池袋。」

ポロンポロンポロン~♪ポロンポロンポロン~♪


電車は池袋に停車し、ゾンビたちは駅に出た。

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