作家さま方も必見?!
あの傑作ファンタジー『勇亡者さまのラストクエスト』の創作裏話がここに開陳されます。
文遠ぶん先生のリアルな苦労話から、プロット構築のお作法まで。
作家さんによってはパズルのように物語を組み立てるケースがありますが、その場合にキャラクターを個性豊かに躍動させるのは困難です。一方、キャラクターが動くのに任せるという作家さんもいますが、その場合に主題の貫徹やダイナミックなコントラストの設計、伏線回収等を両立させるのは至難の業です。その点、文遠先生は、印象的なワンシーンを思い浮かべて、そこに至るまでの物語要素を構想するという道を辿ったそうです。当然、地力がなければできないでしょうが、『勇亡者さまのラストクエスト』において魅力的な登場人物と緻密なプロット構築が両立できたのは、かような方法が取られたからかもしれません。
ちなみに、同様の方法を採用して書かれた作品に乙一『暗黒童話』、ガルシア=マルケス『百年の孤独』などがあります。作風は全く異なりますが、緻密なプロットという点では通ずるものがあるかもしれません。作家さんにとっては重要な方法論といえるでしょう。つまり、多少とも創作にお悩みの方には『勇亡者さまのラストクエスト』本編と合わせてこちらのお話が参考になるかしれません。ぜひどうぞ!(布教)
文遠先生は『勇亡者さまのラストクエスト』が流行に乗っていないと指摘されていますが、個人的には十分にマス層に訴求できる作品だと感じています。良作も発見されなければ埋もれてしまうというのは哀しくも世の真理なので、今後この作品が多くの方のもとに届くのを祈るばかりです。
かねてよりの『勇亡者』シリーズファンにとっては、幻の第2章予告編という垂涎もののサービスが含まれています。文遠先生は現在『ドラグ・ロガーは嘘を斬る』を連載中ですが、わたしたち読者が熱心な応援を続ければ案外書き始めてくれる(ちょろい)かも……? 同士諸君、諦めずに熱烈なエールを送りましょう。