少女探偵と警察お兄さん
青猫あずき
大人はメスガキには負けないが冤罪を避けるためにも、ほんとーの真相ってヤツを聞いてやらんといかんのだが?
「キャハハ♡ おにーさんの推理おもしろーい♡ でもザンネーン♡ おにーさんの推理はぜんぜん的外れの無駄撃ち推理♡ 真相はもーっと別のところにあるんだなぁ〜。犯人のレッドヘリングにまんまと引っかかった雑魚推理♡ 無意味な知的労働ごくろーさまッ♡ 代わりに私がほんとーの真相教えちゃいまーす♡」
「こら、子供が事件現場に入ってくるんじゃあない」
「そんなこと言って~♡ また前みたいにお兄さんは間違った容疑者さんを逮捕しようとしてるんだけど私の話ほんとうに聞かなくていいのかなあ?」
「…………ッ!」
仮に、仮にだがこの少女の言うことが本当だったとして無辜の市民を捕まえて真犯人を野放しにするのはマズい。
聞くだけならタダだ。
少女の言っていることが間違っていそうなら取り合わなければいいだけのこと。
もし万が一、当たっていたら。
俺のちっぽけなプライドと引き換えに冤罪を防ぐことができる。
溜息をついて、俺は覚悟を決めた。
「いいだろう。聞いてやる」
少女探偵と警察お兄さん 青猫あずき @beencat
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