星の見える洞窟

 潮の行きつく先、そこにひとつの小さな島があった。

 流れ着いたそこで、僕は何を思っただろうか、もう覚えていない。

 ただひとつ、覚えていることもある。

 その島にあった洞窟。

 あの場所を忘れることができない。


 もう夜になっていた。

 洞窟の入り口は、海と繋がっていて、奥へと進むと湖のようになっていた。

 洞窟の中は涼しくて、昼の熱にやられていた僕は、思わず寝転んだ。

 その時、僕は悟った。

 ここが、僕の行きつく場所なんだと。

 西日に照らされた水面の光を受け、それは僕の頭上で煌めいていた。

 星空を見たんだ。



 オレは冒険家だ。

 世界の全てを見たい、そう願うひとりの冒険家。

 なぁ、知ってるか?

 どこかの島に、星空の見える洞窟があるらしいって話。

 横穴だったかもしれない。

 まぁ、そんなのはどっちでもいい。

 誰も信じていない話なんだが、何故かオレは確信しているんだ。

 見てみたいだろ。

 そりゃもう大発見だ。

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