六代目の犯罪

羽弦トリス

第1話犯行

「六代目、悪い話じゃない。ここを潰して、スーパーマーケットにする事にしてもいいじゃないか?」

中村は弟の秀樹の話を聞いていた。

「兄さん、僕はこれ以上、酒蔵の尻拭いは辞める。こんな、酒蔵潰れてしまえっ!」

「秀樹、この酒蔵は地域の皆さんに助けてもらったのだ!今さら、廃業したらこの町はどうなる?」

秀樹は口角を上げ、

「潰せば、いいじゃないか!」

「人の心は金では買えん!」

「兄さん、来週中にこの酒蔵は取り壊す。いいですね?」

「私は打開策を練る!」

2人は別れた。


ある日、中村は弟の秀樹を連れ2人の趣味である、シュノーケリングを楽しんだ。

2人は酒を飲み、秀樹は海底洞窟の中に入って行った。

秀樹の飲んだビールには、中村が睡眠薬を入れていた。

大量飲酒に合わせて、秀樹は呼吸困難になり、窒息死した。

中村は秀樹のオープンカーを置き去りにして現場を立ち去った。

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