5分の3

羊屋さん

第1話

眠りから覚めた。


目を開けたが部屋が暗いようだ。


耳をすましたが深夜のようだ。


頭がズキズキと痛む。


僕は脳の手術を受けたんだったか……。


突然地面がガタガタと揺れ始めた。


地震かな?


揺れはしばらくして治まり、耳に何かあてて、外された。次に瞼を広げられた。


部屋は依然として暗いし、静かなままだ。


アルコールのツンとしたにおいがし、左腕にひんやりとした感覚があった後、チクッと針を刺された。


何も言わずに採血をされるのか?


まぁ夜の回診ついでに起こさないようにとの配慮だろう。


頭が痛いので薬がもらえないか訊いてみようか?


「あの、すみません」


ん?


「あの、すみません」


繰り返した。


自分の声が聴こえない?


耳に何か詰め物でもされているのだろうか。


僕は耳を触ろうとしたが誰かが腕を掴み、それを制した。


しばらくして、胴がベルトのようなもので留められた。


次に両脚、両腕が留められた。


そして、肩に何か注射のようなものをされ、僕は強い眠気に襲われた。

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