27. 小説家さんと大きく
27. 小説家さんと大きく
いい匂いがする。オレはその匂いにつられて起きる。そして、オレは自分のお腹の音で目が覚めたことに気がついた。お腹が空いた……。
「あっ!北山さん!昨日はすいませんでした!」
「あっいえ。すいません。部屋まで運ぼうと思ったんですが、カギが見当たらなかったので……。真白さん気持ち悪かったり、頭痛かったりしませんか?」
「え?……はい大丈夫です。」
「そうですか、良かったです」
真白さんは初めてのお酒なんだから、もう少しオレが気を使うべきだったよな。反省しないとだな。
それにしても、夜中気になって何回か部屋を覗いたけど、真白さんの寝顔可愛かったなぁ。なんかこう、胸がキュンとくるような感じの可愛いさっていうか……って何を考えてるんだオレは!! 危ない危ない。変なことを考えるところだった。
「あっ!あのー今、朝ごはん作るんで待っていてくださいね。」
「あ、ありがとうございます……」
しばらくすると、ご飯が出来てテーブルの上に並べてくれた。本当に真白さんの料理は美味しいよな。
「うん。すごく美味しいです!この味噌汁なんて最高ですよ!いいお嫁さんになりますよ!あっ……」
「えぇ!?そっそんなことないですよぉ///わっわたしはただ料理が好きなので作っているだけですしぃ///」
やってしまった……つい口に出してしまった。まぁでも、褒め言葉だし良いよね?多分。その後、少しの間無言が続いた。そして、沈黙を破ったのは真白さんの方だった。
「あの。色々迷惑かけてすいません。」
「え?なんで真白さんが謝るんですか?オレは迷惑だなんて思ってないですし、その……真白さんと一緒にいると楽しいですし。」
「……私もです。北山さんと色んな初めてを経験したり、体験できて、楽しいです。」
なんていい子なんだ。オレは本当にこの子の彼氏になれるのか?頑張ってオレの本当の気持ちを伝えられるようにしないと!
「あっ。昨日作りすぎたハンバーグは冷蔵庫にしまって置きました。お味噌汁も明日までに飲んでください。」
「本当にありがとうございます」
「いえ。そろそろ部屋に帰ります。お仕事頑張ってくださいね」
そう言って真白さんは部屋に戻ろうと玄関の扉を開けると、振り向いてオレに言った。
「また、お夕飯作りに来てもいいですか?北山さんと一緒にご飯を食べるの楽しいので……きゃっ言っちゃった。」
「真白さん……ぜひ!いつでもどうぞ!」
真白さんは嬉しそうに微笑むと、そのまま部屋に戻って行った。
「真白さん。オレ、またあなたのことが好きになりました。いつもいつも好きが大きくなっていく。よし!必ず小説をヒットさせて真白さんに告白するぞ!!」
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