14. 管理人さんとカレー
14. 管理人さんとカレー
私は北山さんと擬似カップルになった。今はそれでいい。でもいつかは必ずこの気持ちを伝えるから。
「週末まで、あと2日か……北山さん大丈夫かな?この前大量のカップ麺を買っていたのを見ちゃったし……ちゃんとしたご飯食べてないのかなぁ……」
私は首を横に振る。今は私が彼女なんだから、ちゃんと栄養を考えてあげないと。私はスマホに『北山さん、良かったら今から私の家に来てもらえませんか?』メッセージを打ち込み送信する。
しばらくすると返事がかえってきて、私の家に北山さんが来ることになった。
「よーし。美味しいもの作ってあげなきゃ!頑張るわよ真白!」
そして北山さんが部屋にやってくる。大丈夫。私は料理は得意だし。
「あっ北山さん。」
「どうかしましたか真白さん?」
「一緒に夕飯食べませんか?北山さんどうせカップ麺ですよね?ダメですよ、ちゃんとご飯たべないと」
「ははっ。お恥ずかしい限りで」
お願い。私は北山さんにご飯を食べてほしいの!
「せっかくなのでお言葉に甘えて」
「どうぞどうぞ」
やった。北山さんを部屋に招き入れると洗濯物を干していることに気づく。しかも下着!?
「あっ!その見ないでください!まだ乾いてなくて……ちょっと移動させてきます」
「すっすみません!」
わぁ……最悪。本当に申し訳ないことしちゃった。きっと気を使ってるよね?はぁ。気を取り直して料理を作らないと!
「はい、出来ましたよ〜。」
「カレーですか?すごく美味しそうだ」
「残りはタッパーにいれておきますから、明日も食べれますよ?あっでもまだ食べてないし美味しくなかったら迷惑ですよね?」
「いえいえとんでもないです!ありがとうございます!」
良かった。すごい喜んでくれた。それに今の北山さん可愛い。そう言えば小説大丈夫なのかな?私は北山さんに聞いてみることにした。
「小説の執筆順調ですか?」
「思ったものは書けてないですね。やっぱり恋愛物は難しい」
「気になったんですけど?なんで恋愛物を書こうと?」
「えっと……正直に言います。真白さんと出会ったからですよ。」
「わっわたし!?︎」
「はい。どうしても書いてみたかった。オレにとっての初めて書く恋愛小説は真白さんのような素敵な女性の恋物語にしたかったんです……あっ」
心臓が破裂しそう……。これって擬似カップルだから、私を喜ばそうとして言ってるのかな?でも……それでも北山さんが私のことを考えてくれていたことがすごく嬉しい。
「嬉しいです……ありがとうございます北山さん。」
夕飯を終え、北山さんは部屋に戻って行った。もちろん私のカレーも持ってかえってくれた。しばらく静寂に部屋が包まれる。そして
「初めての……違う違う!そんなイヤらしい意味じゃないわよ真白!いやーん。嬉しすぎて困っちゃう!」
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