6. 管理人さんとヒロイン像
6. 管理人さんとヒロイン像
私は北山さんと会うためのシュミレーションをしている。
「小説家さんだもん。不規則な生活になっちゃうかもしれないし……私が通ってお世話とかした方がいいかなぁ。」
……と、こんな感じで独り言を言いながら部屋にいる。ふと頭の中に昨日のことが思い出される。本当に北山さんは優しくて格好いい。
「やっぱり、そこまでしたらストーカーだよね……でもこの気持ちを押さえられないよぉ」
そんな時、部屋の扉がノックされる。
コンコンッ!
もう。私が幸せな妄想にふけっているのに誰かしら?そんなことを考えながら扉を開けるとそこには北山さんがいた。
「え?北山さん!?」
「あっ真白さん。すいません突然来ちゃって……」
えぇ!?何で北山さんが!?もしかして昨日の事を怒りにきたのかな!?というか私、髪とか化粧とか大丈夫???とりあえず平静を保って答えないと
「ど、どうしたんですか?」
「いや……あのですね。実は聞きたいことがあって……真白さんっておいくつですか?」
「……へっ?そ、そんなことをわざわざ聞くためにここに来たんですか?」
「はい。なんかすみません……ちょっと恋愛小説に挑戦しようとして真白さんくらいの人をヒロインにしようかと思って、参考に……」
ほえ!?わっ私をヒロインに!?そっそれじゃ主人公は北山さん!?
「私は21ですけど……」
「やっぱりお若いですよね。オレの6つ下なんですね」
「北山さん27歳なんですね。へー。お若く見えますよ?」
「ははっもうおじさんですよ」
ああ……やっぱり好き。私はこの人が好きすぎるわ。せっかく私をヒロインにしてくれるなら少しワガママ言ってもいいよね?
「あの北山さん。私を小説のヒロインにしてくれるんですか?それなら可愛く書いてほしいな?なんて言っちゃったりして」
言っちゃった!私言っちゃったわ!どうしよう恥ずかしい……。
「え?もちろん!任せてください!」
「ふふ。北山さんの小説が楽しみです」
そして北山さんは部屋に戻る。私はしばらくそこでぼーっとしたあと
「いやーん。私がヒロインなんて、こんな贅沢ないわよね?主人公の北山さんにあんなことやこんなことされちゃう!!」
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