4. 管理人さんと秘密

4. 管理人さんと秘密




私は昨日一目惚れをしてしまったの。


「それにしても北山さん。すごく優しそうで私のタイプ。あんな人が引っ越してくるなんて……こんな気持ちになるなんて初めてのことかもしれない。彼女とかいるのかなぁ?」


そんなことを考えていると、不思議と北山さんの部屋に足を運びチャイムを鳴らしていた……。


ガチャッ 扉が勢いよく開く。


「こんにちは!」


「わっ。こんにちは北山さん。いきなりでビックリしました。」


「ああ……すいません」


「いえいえ、わたしの方こそ突然押しかけてしまって申し訳ないです……」


そうよね。私何してるの……でも北山さん、格好いいなぁ……


「えっと、それでどうしたんですか? わざわざ部屋まで来てもらって……」


そうだ。どうしよう……とりあえず何か聞かなきゃ!


「あ、はい。実はですね……その、あの、北山さんって何の仕事されてるんですか?教えてください。」


唐突すぎたかな……もう……最悪。嫌われたらどうしよう……


「オレは物書きです。一応小説家してますよ。そんな有名じゃないですけど」


「あっ!そうなんですね!! すごいです!!」


小説家……やった。それならほとんど家にいるよね。毎日会える!真白やったわよ!


「あ、でもこのことは内緒にしてくださいね? あまり知られたくない仕事なんで」


「はい!もちろんですよ!」


北山さんを心配させちゃいけないし、ここは私を信頼してもらわないと。緊張するけど言っちゃおう!


「2人だけの……秘密ですね?きゃっ言っちゃった。」


「え?……まぁ用はそれだけですか?」


「はい。お仕事のお邪魔をしてすいませんでした。私は管理人なんで、いつでも困ったら相談してくださいね」


「はい。ありがとうございます。」


そう言ってドアが閉まる。私は部屋に戻り玄関で悶絶したあと言葉が出た


「2人だけの秘密って言っちゃった!大丈夫かな?変な人だとおもわれなかったかな?いやーん。私ったら大胆なんだから!」

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