ガイスト・ナイトメア
書い人(かいと)/kait39
墓所にて
気がつくと、知らない場所に居た。
そこが墓場であることはすぐに理解できた。墓石が、山ほどあったからだ。
生温い風が漂っており、湿度が高い。
暗闇を月光が照らしており、幸いほぼ満月のために周囲は見ることができる。
遠くではなにやら引きずるような、擦れ合うような、雑多な種類の音がする。
明らかに自分のものではない、
その音は、聞こえるほどには近い。
(ここは、危険だ……)
本能がそう叫んでいる。
音から離れるように、遠くの森へと向かった。
呼吸の音がさらに近づく。
怪物(だと思いこんでいる)存在が、ついに姿を現すかというところで、森の端の木陰に隠れられた。ほとんど墓場との境界線だ。
安全だと思い、大きく息を吸って吐く。
後ろを確認する気にはならない。
何者かの呼吸音が、十分に離れていくのを確認してから、広がる森へと進んでいく。
(ここは、どこなのだろう?)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます