詩「娘の音」
有原野分
娘の音
空気の振動 音 ぼくの人よりも小さな
脳を揺らして 動かして
こめか
み
まだたったの十年ぐらいしか
動いていない心臓の ちから
強さに 音に
圧倒されて 母も 父も
ぼくはぼくとして誰だったのかをようやく思
い出せそうで
気のせいなんかじゃ なくて
体育館の 白い線の 向こう側
音 ずっと
音が
なっている
頭と 心臓
骨
きしんでいく
悲しみ
許せ
父の
いない
お前の
音
音符
こすり合わせる手のひらを見つめる
ひび割れた祖父の
祖母の
少ない慰謝料 「
感慨 」
鳴り響く マーチ 行進する
(過去
未来)が光り輝いて 光
二の足 三の
足
きみの小さな
心臓の
音
まだ
まだ
響け
。
詩「娘の音」 有原野分 @yujiarihara
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