叫ぶ女性
夜の7時頃電話が鳴る。
出ると「病院でーす。」と明るい声。
呼び出しか……
「CTを撮って欲しい患者さんが来て、今から来れます?」
『行けません。』と言っても『来い!』というくせに……
まぁ、まだ夜中でもないし、と病院に向かう。
患者さんはストレッチャーに乗せられていた。まだ若い女性、20代前半。
「夕方にけんかをしたら、それっきり意識がなくなってなぁ。」
着いてきた旦那らしき人が言う。
そばで叫んでも、ゆすっても、叩いても眠ったままらしい。
とりあえずよくわからないので、頭のCTを撮るとか。
撮影室に運び、ストレッチャーから撮影台に移動させる。
その間全く動かない、眠っている。
人形さんみたいだな……
みんなが撮影室から出て行き、2人きりになる。
ポジショニングをして操作室に入り撮影ボタンをON。
「ぎぃゃぁー!」
患者さんが突然叫び、暴れ出す。
「いやー!」
慌てて撮影を中断、撮影室に入ると女性が髪を振り乱し暴れている。
とにかくみんなを呼びに行く。
女性は座った姿勢で泣き出す。
「おまえ! わざとだろ! 本当は全部わかってるんだろー!」
旦那らしき人が叫ぶ。
医師、看護師が旦那らしき人をまぁまぁと落ち着かせる。
女性は泣きじゃくる。
その後撮影はなしになったので帰宅、後日パニック障害による症状だったと聞かされた。
2人は話し合いをしたとか、良い関係になったとか話が飛んできたが、詳細は不明。
夜中に来る患者さんはいろいろな人が来る。
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