胃X線検査

 胃透視とも呼ばれるこの検査は、バリウムを飲むあの評判の悪い検査のこと。

 粉末の炭酸(発泡剤)を飲んで胃をパンパンに膨らませバリウムを飲み、右を向いたり左を向いたりと体位変換をして胃の壁にバリウムを塗りたくり画像を撮影する。

 撮影は少ないX線を照射して、体を透視しながらバリウムの流れのタイミングを図り情報量の多い画像を撮影する。

 ラジェーションハウスでは、技師の技量が表れる検査と紹介されていたが、まさにその通り。

 タイミング良く、情報量の多い画像撮影は難しい。

「バリウム、もっと美味しくならんのか?」

 よく尋ねてくる質問。

 答えは美味しくはならない。なぜかというと美味しいと唾液が出る。

 唾液が出るとバリウムが薄まり胃の壁へののりが悪くなるから。

「バリウムってどんな味?」

 これも良く質問される。

 これには「飲むヨーグルト」と答えている。

 食感は確かに飲むヨーグルト、でも味はない。しいていうなら味気のない不味い飲むヨーグルト。

 これじゃあ、誰も飲みたがらないか。

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