生まれつき命の期限が決められているなんて❗

淡雪 隆

第1話 生まれつき命の期限が決められているなんて❗

|       淡雪 隆

七月二十日

 高梨優斗たかなしゆうと君六歳は、両親が二年前に両親が交通事故で亡くなったので、今は父の兄つまり、おじさん夫婦に育てられていた。勉強机の椅子を自分の部屋の窓際に持ってきて、窓を開けて、真夜中の夜空を見上げていた。今夜は雲もなく満天に星が輝いていた。満月も綺麗だった。まるで笑っているように感じた。僕がここに来た時に、おじさんがこんな夜空を一緒に見上げて、

「ご覧、あそこに青く一際ひときわ輝く星が有るだろう。あの星が優斗の父親だ。そしてその横に寄り添うように赤く輝いている星があるだろ。あの星が優斗のお母さんだよ。いつも二人は天上から優斗の事を見守っているんだよ」って教えて貰ったことがある。僕も死んだらあの星のところに行けるかな~。等と考えていた。そうしているうちに、優斗の体が段々薄れてきた。そして透明になった。その頃の二時間前、県立総合病院の心臓内科の入院棟では、優斗がもう二年前から入院していた。胸を押さえて、苦しがる様子が頻繁に起こるようになっていた。おじさんとおばさんが心配そうに優斗を見守っていた。

「先生! 何とかなりませんか?」おじさんは必死になって、先生の体を揺さぶっていたが、せんせいは、虚しく首を横に降るだけだった。その時、優斗がつぶやいた。

「ねぇ、おじさん、おばさん、僕どうして悲しくないのに涙が出るんだろう」おじさんも、おばさんも下を向くだけしかできなかった。そして苦しむこと二時間。優斗は安らかに眠りについた。

「ご臨終です」と先生が言った。

「生まれた時、先生から五年生きられるかどうか。と言われていたんだが、よく一年頑張ったよ優斗‼️ よく頑張ったな。うう……」おじさんたちも堪えきれずに涙を流した。その時夜空に青く耀く星と赤く耀く星の間に密着するように『紫に耀く』星が寄り添っていた。

             (了)

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生まれつき命の期限が決められているなんて❗ 淡雪 隆 @AWAYUKI-TAKASHI

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