経験値を貯めることの出来る[利子保存] いつの間にか経験値が何倍にも膨れ上がって最強に(白い目)
狼狼3
一章
一
自分の才能を見せびらかすことは猛獣溢れる山の中に足を踏み入れることと同じことだ。
byとある耐久貴族。
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俺は誰にも伝えたことがないが自分の前世を知っている。
その世界は魔物や魔法が存在しない世界。俺はその世界の東に位置する島国の日本というところで社畜として過労死した。
俺の死因はーー才能を隠さずに見せびらかしたからだった。
俺が勤めていたところはブラック企業と呼ばれるところだった。
入社するまでそんなこと知らなかった俺は入社する際に、自分自身の才能をこれでもかとアピールした。
必死のアピールが成功し俺は何とか入社することが出来たが、それからの俺の生活は地獄。俺の才能は多岐多様に溢れていた為、雑務のような小さな仕事から会社の命運を決めるような大きな仕事まで全部やらされた。
休みを入社してから一度も貰えず半年程働く俺。
こんな会社辞めてやると辞表を提出しようとしたが、仕事の引き継ぎやら取引先の相手やらで結局辞めることが出来ずにーーー過労していた俺は気づけば息を引き取っていた。
そんな前世の記憶を俺は反面教師に使い、この世界の俺は実力を抑えることにした。幸い転生特典という奴だろうか、実力を隠そうとする俺には丁度いいスキルを手に入れていた。
そのスキルはーー利子保存。
この世界には何事にも経験値が働いていて、経験値や才能に応じてステータスが決まる。ステータスというのは自分の実力が簡略化されたデータのようなものだ。
このスキルは本来換算される経験値を保存することが出来るものだ。簡単にいえば経験値の貯金。保存した経験値はいつでも好きなように自分のステータスに反映することが出来るが、一度反映してしまった経験値は元に戻すことは出来ない仕様となっている。
ここまで聞けばあまり利点の無いようなスキルに見えるが、利子という名前がついているように、保存した経験値は保存しただけでどんどん増えていく。俺は利子が増えようとも必要最低限ステータスには反映しないつもりだから頼る時が来るかは分からないが、ある分には越したことないだろう。
そんな俺は生まれてこのかたずっと貯金生活。
一部ステータスは反映しているが、美貌の経験値を一切反映していないので『ナハネス家の醜豚』との名前が付けられている。
美貌の経験値は自然と年を重ねたり努力することで勝手に上がっていくのだが、俺はそれを全部封じている為パラメーターは幼少期の頃から動かずレベル1。この世界で不細工と呼ばれる人でさえレベル10はあるので、どれだけ自分が酷い姿なのか分かる。美貌の経験値を一切封じているのは、俺が前世アピールにした成功の一つに自分の美貌が関係していると思ったからだ。前世は人々から罵られることがあまり無かったので、見た目で非難されてもあまり気にならない。
それに加えて俺は生まれが貴族なのであらゆる経験値が上がりやすい。
一般的に王族、貴族、一般人といったような具合で経験値の上り具合が変わるのだ。
特に俺が生まれたナハネス家というのは貴族の中でも上位の美貌揃いと言われる貴族である。普通にいけば俺は前世のようにイケた姿になっていた筈だ。長男ならそれでもよかった筈だが、俺はナハネス家三男。家を俺が背負うことは無いし、見た目がいいとそれだけで自然と影響力がつく。影響力のある弟など邪魔だろう。悪戯だが分からないがこのスキルをくれた神に俺は心底感謝している。
そんな訳で嫌われ者の俺は今日も目を覚ました。
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※この世界の主な国と種族、軽い世界観やステータスに関する情報。
[主な国]
・ヤルブァン王国
主人公が産まれた国。温帯に属し主に人類、獣人族、ドワーフが生活している。元々は人類しか住んでいなかったが数の少ない獣人族やドワーフの集落を襲うなどして統合し多種族国家となった。人類の権力がこの国では他の種族に比べて強く、数も圧倒的に多い。オルアット共和国とは歴史的に何度も争っていて仲が非常に悪い。前世でいう中華料理発祥の国。猫を神の遣いだと捉えていて、猫を崇拝し、猫を飼っている家庭が多い。その為ペットショップで猫が売られていることは無く、飼う場合親しい人に譲り受けるか野生の猫を拾ってくる。国旗にも猫が描かれている。猫の獣人族だけ人類と同じ権利を得ることが出来る。にゃんにゃん。
・オルアット共和国
漁業が先進的で知られる島国。温帯に属し主に人類と獣人族、ドワーフが生活している。元々は人類主導の王国制だったが、ヤルブァン王国に一度大きく敗戦した時にクーデターが起こり、今では共和国となっている。どんな種族であれ持つ権力は全て同じだと国は定めている。しかし、最近数の多い人類の権力が密かに強くなっている。住民は人類が圧倒的に多い。魔法使いが他国と比べて多い。前世でいう日本料理発祥の国。島国の為陸軍よりも海軍の力が強い。海軍なら世界でトップの実力を持つ国。ヤルブァン大嫌い。
・ヒューズ至上主義共和国
人類しか認めない亜寒帯に所属する国で島国。人類以外に権利は認めておらず、人類以外全て動物と同じと考えている国。一番ヤバい国認定されている。ちなみに、この国の動物に対する認識は動物=食料or愛玩道具である。人類以外を統合するまではヤルブァンとの同盟国だったが、人類以外を統合したことにより同盟は切れ一時的に戦争状態となったことで有名である。人類しか住んでいない。ドワーフが居ない為技術力が他国と比べて低いが、識字率は他国を大きく引き離して約百%。毎夜人類の素晴らしさについて日記をつける文化がある。人類の多い国と戦った時の勝率は低いが、人類の少ない国との勝率はとても高い。友好国家ゼロの珍しい国である。ぼっち。
・聖アルテンナ王国
熱帯の平野が多い地域に位置する国。人類、獣人族、ドワーフが住んでいる。王は人類だが基本的な権利は全ての種族に認められていて、世界で唯一社会権を認めている国だ。聖女を救世主とする文化があり、聖女に対して強い憧れと尊敬を持つという国民性がある。この国は聖女に関するグッズが凄く人気だが、他国ではあまり人気じゃないことに腹を立てている。西欧料理発祥の国で食文化が一番発展していると言われている。主人公は将来ここへ移住しようかと考えている。聖女様最高。
・セリアンス共和国連邦
エルフ以外の全ての種族が存在する熱帯に属する国家。人類が所属するには珍しく人類の数が他の種と比べて一番少なく、獣人が一番多い。魔法使い無しの肉弾戦は世界最強。戦士が多い国家。種族に関わらず権利は平等。前世でいうトルコ料理発祥の国。ペットと奴隷を禁止している国で有名。種族が多いことから色々とネタの尽きない国で、多くの詩人がこの国で輩出される。しかし、識字率が世界で一番低い。種族や民族によって数多くのしきたりがある。ヒューズ至上主義国家とは過去何度も戦争をしているが決着は未だについていない。ヒューズ至上主義国家とは犬猿の仲である。動物は友達。
・エルサ王国
エルフのみが暮らす国で温帯に属する。他国とは一切関わらない鎖国をしていて、独自の文化や技術が他国に比べて発展しているがその分技術力に偏りが出てしまっている。住んでいる住民の数と経済力は他国に比べて一番少ないが、エルフは平均寿命が三百歳で経験値の多い者が多く、森に隠れながらゲリラ戦を行う為下手に攻めると酷い目に合う。前世でいうイギリス料理発祥。森を信仰していて、森に住まわせて頂いていることを深く感謝している。毎夜森に対して祈りを捧げる文化がある。自然最高。
・魔王国
古くから魔王が存在するという謎国家。そもそも何処に位置するかよく分かっていない。分かったとしても関わりたくない国。魔物を産み出していると言われているが真相はよく分かってない。世界には魔王国が攻めてきたら協力して戦うという謎の文化がある。世界で一番強いとされている。友好国ゼロの国である。この国の演説では良く栄光ある孤立という言葉が使われる。ぼっちとは言わせない。上級層には紳士が大量発生している。魔王様格好いい。
[国力]
魔王国>>聖アルテンナ王国>セリアンス共和国連邦>ヤルブァン王国=オルアット共和国>ヒューズ至上主義国家>エルサ王国
[文化]
魔王国=セリアンス共和国連邦>聖アルテンナ王国>ヤルブァン王国=オルアット共和国=エルサ王国>ヒューズ至上主義国家
[技術力]
魔王国>ヤルブァン王国=オルアット共和国>セリアンス共和国連邦>聖アルテンナ王国>エルサ王国=ヒューズ至上主義国家
[識字率]
ヒューズ至上主義国家>>>>ヤルブァン王国=エルサ王国>オルアット共和国>聖アルテンナ共和国>魔王国>セリアンス共和国連邦
[主な種族]
・人類
性欲が多くの種族の中でも強く気づけばどんどんと増えていた種族。貴族と平民では大きく力に差がある。筋力が他の種族と比べてあまりない。大体数の暴力で何とかしてきた。質より量だ。
・獣人族
人型の動物といっ存在。人類と似たように繁殖力が強い。他の種族に比べて筋力は優れているが、一般的に頭はあまり良くない。ペット扱いされると高確率で怒る。
・ドワーフ
技術の発展に勤しんできた種族。種自体の数は少ないが、これまで世界に与えてきた影響力は凄まじい。技術力があるかわりに筋力はあまりない。お酒大好き。
・エルフ
森を愛する一族で森で生活する。愛の重い国で家族愛は勿論のこと一度見つけた生涯の相手は絶対に逃がさない。繁殖力は低いがその分長寿。年増というと半殺しにされる。
・魔王
最強。格好いい。
・魔物
世界最強クラスから世界最弱クラスと上から下の幅が大きい。ある程度実力が付かない魔物は頭が弱い。魔物以外をよく襲う為か、冒険者によく狩られている。大体の製品は魔物が原材料となっている。
[世界観]
命が軽い世界。未亡人や男やもめが結構いる。どの国も出生率を上げたり、また血筋などでステータスが決まることが多いので一夫多妻制を認めている。一妻多夫制は出産率が悪くなる為基本的に認められていないが、貴族や商人または特別な事例だけは認められている。
[ステータス]
LV1~10 [最底辺]
LV10~20[底辺]
LV20~35[平均]
LV35~45[上位]
LV45~50[最上位]
LV50~[英雄]
LV100~[魔王]
LV1000~[神話]
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