第479話 牢獄エリアの秩序と管理
常に人の増える牢獄エリア
いろんな犯罪者がレアナー教を狙っているのだから仕方がない
元スパイで構成された諜報部・・暗部によって現在では襲われる前に捕獲するようにしている
海外の人間にとって、日本というのは最果ての地とも言える
国によっては単純に遠く、自分たちにとっては未知の土地だ
そんな土地で活動するのにはリスクを伴う、だから金で現地の人間を雇うことが多い
竹村神官のような暴走族に始まり、企業、ヤクザ、外国の手のはいった団体
できる限り情報を集めていくと・・・やはり襲撃されることがわかる
日本の警察に「襲撃されるので逮捕してください」「二度とやらないようにしてください」なんて言っても意味はない
だってまだやっていないのだ
証拠が出せるものでもないし、更に事情を聞かれて捕まったとしても彼らが二度と行動を起こさないようにするのは不可能である
じゃあやられるまで待つのか?
――――・・違う、先に捕まえてくるのだ
海外から不法入国し行動をしようとする港に、クラブに、彼らの家に、ヤクザの事務所に逆に攻め込む
しかしそれでも網に引っかからない奴らも居るがそういうのは小物ばかりだ、襲われたところで大したことがない
そしてこれらは日本だけではなく世界で行われている
偽物のレアナー教がいれば信徒と暗部、過激派、聖騎士部が現地まで行って捕獲するのだ
その結果<牢獄エリア>には人が増え続けている
幾つかのエリアで区切られるがまず男性と女性で入られる場所が違う
レアナー様的には同じ場所にしたほうがいいという意見もあったがそうしてしまうと更生しないかもしれない
過酷な状況であるからこそ人は変われるのだ
まずい飯に過酷な労働
それを自分の力でのみよくしていける
初めはまともな服もすら無い状態だが、良くなった前例は周りに見て取れるのだからやる気にならざるを得ない
・・・・・あんなケミカルスープを飲み続けるなど正気な人間が出来ることではない
働いてもらうのにも限界があるが人力発電はとても良い
なにせ単純に力を使い続けて肉体的にも精神的にも追い詰めることが出来るのだ
時間の経過が違うのだから発電量も馬鹿にできない
しかしそれが聖下の人身売買発言によってちょっとまずいことになるとは思っても見なかった
どう考えても人権とか完全に無視してるシステムだからなぁ・・・・
今でも「レアナー教に行って行方不明になった人がいるのではないか?」という都市伝説はある、捕まった人間にだって家族はいるし騒ぎ立てる人間はいるのだから仕方ない
まともに出られたのは安藤の騒動で不幸にも巻き込まれた警察官だけだ
中に入れた人間の殆どは更生していっているが反省しないやつを出すわけにもいかない
レアナー教に向かって敵対しないように改心させなければ意味がない
Dのような同性愛者も居ることから刑務所のようにもっとだらけるとも思ったが愛する人ができれば一緒に外に出てみたいという目標も持てるようで何よりである
ごく一部の彼らに恐怖した人間が同じ空間から出たいと真面目に働くのも・・まぁプラスだろう
<牢獄エリア>は現在5層に細分化されている
<地獄層><一般牢獄層><天国層><管理者層>そして<収穫層>だ
地獄層はとにかく地獄を見る
死なないからと思考だけ1000倍加速されたり、一般牢獄よりも食が酷く、懲罰の意味合いが大きい
一般牢獄エリアでやらかしたものが入れられることもある
人力発電機を遊びで壊したものはここに入れられてからとても素直な良い子になった
基本的にはレアナー教を攻撃してきた工作員や外国からの侵略者が一度入れられることとなったエリアだ、安藤の部下もここに入れた
一般牢獄層はスパイ、汚職警察官、レアナー教を騙ったもの、マフィア、結婚詐欺師などがはいっている
Rと言うニックネームで散髪屋をやっていたのが懐かしいな
内部事情の視察に今でもたまに見に行くが古株の人間にはバレている
天国層は一般牢獄層からレアナー教に協力的な人間が入れられる場所で、ここまで来ると普通の信徒とそこまで変わりがない
絶対に裏切らないように魔法で処置されているし単純に彼らの管理に区別が必要だから新設されたエリアである
レアナー教の工作員として忠誠を誓っているため外に働きに出ることも多い
管理者層は神官、信徒、そして天国層の中でもごく一部の管理できる人間が入る場所だ
AやGと言った特殊技能を持ち、絶対の忠誠心を持った人間だけが居ることも出来る
<牢獄エリア>は時間の感覚が異なるからこと必要な層であり、栄介様と詩乃様が頂点となっている
収穫層は他の牢獄エリアとは逆に時間を早めることで畜産や、農業、醤油、味噌、酒などを生産するエリアだ
畜産や農業はうまく行っていて、労働力は一般牢獄や天国に居る人間が居るので問題はないが・・・何故か酒と醤油がよく減る
発酵食品や酒はオリジナルの物を作って熟成させているが・・どうやら精霊が飲み食いしているとかで外よりも減りが早い
瓶に詰められていてもタンクに入れられていても精霊は中のものを飲んでしまうので対策はできない
酒は法律で作られているのは禁じられているがここは一種の治外法権であるし問題は・・・別の意味である
酒は製造過程で規模が大きくなれば火災や腐敗といった問題が起きやすいのだ
アルコールは燃える性質を持つし、腐敗は有毒なガスを生み出すこともある
閉鎖空間であることから両方命取りになりかねない
精霊様はコミュニケーションはまともには取れないがたまに黒い人影や光るホタルのように見える
火災などもしものときは逃げるようにとレアナー様に伝えると「<心配しないでも大丈夫ですぅ>」と何故か笑われてしまったが・・・<酒造層>も新しく作ってもらおうかな
酒が強くない自分としては酒は作る必要性がないと思うのだけど信徒からも神官からも神様たちからもGOサインが出たのでやるしか無い
既存の酒も熟成させるのだけど時間の計算をするのは非常にめんどくさい
さらに新たに<更生層>と<科学者層>を追加するかと相談している
更生層は一般人の中でも様々な原因で生活が困難となった人間や引き籠もりなどを叩き直して社会復帰させるための新構想エリアだ
男女関係なく結構いるそうだし、精神の病を患った人間を治したって社会性が一瞬で身につくわけではないので信徒たちにも期待されている
レアナーに敵対した訳では無いがDVがコミュニケーション方法となった人間や酒浸りの人間も叩き込む予定である
懲りずに何度も城に来ては「娘を返せ」という神田の親もここにいれたい
暴走族に戻ったつもりで暴れまわったハゲ村にここを任せる予定だ
科学者層は天国層に進出してきたマッドサイエンティスト共をどうにか隔離したい
隔離空間であるにしても彼らの研究は通常の加速されていない空間で行われるはずだったのだが研究のためだといつの間にか一般牢獄層などで勝手にやっていた
<牢獄エリア>とは別に独自の科学者用のスペースが有るにも関わらずいつの間にか自由に研究している
手の空いている信徒や天国エリアの作業者に限れば自由に連れて行って手伝わせてもいいはずだったのだが、むしろこちらに住み込んで作業していた
研究の価値はとてつもなく高い
魔法や魔道具、この世界にはない物質の研究をするのだから見る人によっては天文学的な価値になるだろう
せっかく一般牢獄層で更生した人間が入るのが天国層なのに、重要な研究資料をもって牢獄層全般を好き勝手に行き来して持ち歩くなど悪い気を起こしかねない
元の国に持ち帰ってそれを売ったり・・とか考えられては事だ
それにしても彼らの研究でたまに爆発しているのは一体どういうことなんだろうか?
とにかく自由にやらせようとしている阿部さんには安全性のためにもそろそろ拳で語り合う必要があるのかもしれないな
あの人すぐ屁理屈並べてくるし、後悔も反省しないから厄介だ
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