第383話 風呂場でのんびりwith吾郷
「酷いよ洋介くん・・・あれは酷い・・・・・」
「まぁまぁ、戦わずに済んでよかったよ」
康介伯父さんや吾郷達に【治癒】と【体力向上】をかけてみんなでお風呂に入ることにした
今にも倒れそうだしね
「ほとんど条件のんだって聞いたけど何が決め手だったの?」
「政治家全員のスキャンダルや弱みを出されてはね、太刀打ち出来ないよ・・・それだけが決め手というわけじゃないが」
AさんやGさん達、元スパイの人達は元の情報局をはっきんぐってのをしたりして政治家達のスキャンダルを集めていたようだ
おしりの出来物から学生時代のポエム、やっちまった黒歴史、汚職に性癖、本人と親族の犯罪歴などありとあらゆる弱みを握っていた
それらを和解条件を持っていったついでにポンとヨーコが渡したものだから阿鼻叫喚の地獄絵図となり、ほぼ全会一致で全面降伏が決まった
「だいたい、100万の超人軍団が相手で、使っちゃいけない自衛隊にみんなどっちが悪いか知ってるから士気は上がらずに離反者だらけ」
暗い顔の吾郷、段々と拳を握った
体を丸めて頭に血管が浮き出てきた
よっぽどのことがあったんだろう
「民意も大人気の神様と洋介くんも敵に回して、更に全世界が敵かってぐらい抗議が来てて、更に更にとどめにスキャンダルだよ?それと洋介くんも・・・一つでも無理なのにあ”ぁ”ぁ”・・・」
少し立ち上がった吾郷だが湯船に頭を沈めていった
全議員から資産の数割と今回捕まった安藤を含めたマスコミの大物たちの資産を凍結、政治資金からも出させて賠償金を作ったそうだ
裏での話だそうだけど、それって発表できないんじゃないかな?
今後『議員の治療禁止』なんてことになりかねない
もしもそうなったらその家族も含めて第二波第三波と問題が続きかねないし誠意を見せたのだ
マスコミの機材なんかもレアナー教が襲撃によって奪い去っているものだからそれを返すだの返さないまでの交渉をしたがタフな3日であったと嘆いている吾郷
ちなみにマスコミ関係者は吾郷と同じくレアナー教を攻撃した一味として吊るし上げられる予定だ
安藤がレアナービルや倉庫や城への攻撃してた撮影に協力してたしね
「まぁこれで私の議員生活は終わりかもしれないけどね、もしもそうなったらこの一件がどう転ぶかわからないから注意した方がいい」
「議員辞めるの?うちで働く?」
「ははっ、辞めることになったら頼もうかな」
この騒動によって政権の支持率は地を這うように低いそうだ
安藤達がきっかけとなりはしたが政権与党はその騒動を沈静化出来なかった
理屈はわかるけどそれなら安藤たちだけ責められるもんじゃないのかな?
今回の謝罪によって議員ってのをじしょくってのをしないといけないかもしれない、貴族ってやめられるのか・・・・・?あぁ言うのってすごく屈辱的とかでだいたい暴れるものだと思うんだけど・・もしも吾郷がそうなったら次の総理大臣がどんなことをするのかまでは約束できないそうだ
ある程度下げられた条件だが会議は拳を持って進めたとかでクドクドと苦労話を聞かされた
日本の中に日本ではない領土を作るのかなんて言う意見もあったそうだけどそこは流石に秘密裏に事を進めて未来永劫日本政府が続く限り許されることも決まって将来における税金なども免除されたとか
どう考えても無理な条件は可能なまでに引き下げられたがそれでも康介伯父さん達はすげーボコボコにしたみたいだ
僕はレアナー様の面目が保たれたので良しとする
「ところで安藤達の様子がおかしかったが何をしたのか・・聞いてもいいかい?」
「牢獄エリアの奥で意識のあるまま・・・1万倍時間を早めて放置してた」
「1万・・?それは・・・・え?酷いな」
はじめは1000倍だったらしいけど条件を突きつけて何度か意識を戻しても全員がまともで居ることが少なかったので何度もやり直したのだ
1時間放置すれば1000時間、1時間で41日ほど、その間ずっと意識があってほとんど狂うことはない、と言うかできないはずだった
だけどやってみると何十人かに一人は狂っていた
まぁ連帯責任ということで1万倍にしてみたのだ
これであれば1分放置すれば10000分、1分で166時間、およそ1週間ほど固まったまま意識がある状態となる
陸斗の計算なので合ってるはず
全員がまともに話ができる状態になるまで何度往復したことか・・・
吾郷にとっての決め手は僕だった
もしも僕が戦うと国会議事堂も一瞬で占拠できるし隕石攻撃もできるとかで戦い自体避けようとしていたのに・・・そんな僕が世界を回って食料を買い集めるものだから戦う気満々に見えたらしい
そんなつもりじゃなかったんだけどなぁ
「ところでどうしてそんなに大きくなったんだい?」
「いや、こう、洗脳されてる間に自分で勝手にこうなったっぽい」
身体がムキムキになったままだ
これはこれで男らしくて良いんじゃない?とも思うが、微妙に不評でもある
特にはるねーちゃんとかーさんから
「魔法かね、じゃあ魔法で元には戻れないのかい?」
「魔法じゃないと思うけど・・・うーん」
大浴場で男ばかりが入っている中で聞かれた
信徒たちも気になってたみたいでこちらを見てくる
吾郷がいるのを見た神官や信徒たちは僕らから距離を取っている
僕も吾郷を攻撃されたくはないので少しだけ注意している
でも言われてみると魔力で体を構成して成長したのなら魔力でどうにか出来ないか・・・??
「うぬぐぐぐぐ」
全身の魔力を込めて、体を構成しているなにかを操作してみる
全身に力を入れて、ふんぬこらぁ!
「む、無理はしなくてもいいんじゃないかい?!なんか光ってるし」
「ぬぬぬぬぅーん!!・・・・・あ、出来た」
元の体に戻れた
前の状態も男らしくて格好良かったけど足元見えなくて転けたり、手の長さも違って距離感がわからずにドアノブに触れられなかったりして不便だったからね
よく考えると加護の数が多すぎて魔力だけは充実していたから体が透けてしまうこともあった
だから旅の間もなにか食べて透けないようにしていたけど・・透けてたってことは肉の体よりもほぼ魔素で体が出来ていたわけで・・・だったら程度操れるはずだよね?
「おぉ・・さっきの状態には戻れるのかい?」
「やってみる」
無意識だったけどあそこまで成長を自分でしたのならコツを掴めば自在にできるはずだ
ちょっと気合を入れると・・・出来た
背が高いムキムキ・・と言うよりは前よりも少し痩せたけど悪くはない、でもすぐに低い背に戻した
ただこれ、すごくお腹がすくし体が疲れる、腰とか凄い痛いな
全身痛くて動きにくい
脱衣所で僕の服を超至近距離で見つめているせーちゃんに退いてもらって、吾郷たちに服を着せてもらって・・・とにかく食べることにした
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