第359話 戦うかどうかの問題提起


康介伯父さんは何があったのかよくわからないが酷い目にあったようだ


一つすごく気になることがある



<応援しますぅ!>


「駄目ですよ、まだ見守りましょう」



聖騎士候補のおねーさんから康介伯父さんへの敬愛を感じる


伯父さんは既婚者だけどレアナー教的に重婚は推奨されている


多分20歳よりは上、向こうの世界でもレアナー様や神官たちのグイグイ押すのはきつい人は多かったのにこちらでそれはダメだろう



なんだろう、ニヨニヨしてしまう



城に病院の皆を連れて帰ってどうするかを考えることにした


そもそも皆どうしたいのだろう?



「皆は戦いたいの?」


「それよりも洋介、お前なんだ?その姿は?」



伯父さんにも言われたが他の信徒からも同じように聞かれる


なぜかニヤニヤした父さんがホワイトボードを持ってきて伯父さんや信徒たちに説明してくれた



「そして!こちらが息子の嫁で孫の関羽だ」


「お初にお目にかかります、某、関羽・ヴァン・元杉と申します」


「こちらも結婚相手の可愛いエシャロットちゃん!!」


「よろしく」


「そしてこちらがレアナー教の聖王だったセー・オーちゃん!ちなみに洋介を攫ったのはこの子だ!!」




ポカーンとしている伯父さんや信徒たち、ドヤァと父さんが説明してくれたしこれで通じただろう



「それで、レアナー教として戦うべきだと思う?」


「待て、洋介、正座しろ」


「はい」



目頭を抑えた康介伯父さんに言われて正座する


色々あったらしいけど僕ずっと寝てただけだしなぁ・・・


怒られている僕の周りでは「これからどうするか?」の話で声が大きくなってきている



「戦うべきだろ!?」

「いや、聖下生きてたしなぁ・・」

「こんな中途半端に終わらせたら俺たち刑務所行きでしょ、じわじわ裁判にかけられてさ」

「だけど国会議事堂占拠したってその後どうするんだよ!!」

「お前ら許せるのかよ!!?レアナー教の大事な金を燃やされたんだぞ!!!」


「だいたいお前は・・・この事態をどうするつもりだ?」



康介伯父さんにくどくどと自重しなさいとか責任を持って行動しろとか言われていたのだけど周りの声がどんどん大きくなってお説教は終わった



「レアナー様とできるだけ人が死なないようにしようってことになってるんだけど」


<ですです>



僕の肩で正座しているレアナー様も肯定してくれた


完全に方向性は決まったわけではないがそうなるかもしれない



「ねぇお手紙来たから読んで」



せーちゃんになにか差し出された


この人もっと玉座に座ってるときとかはもっと冷静な王様だったのに、すごく変わったなぁ



・・・・・いや、天井やお風呂、壁から出てきた時は無言でこちらに迫ってくるし元々よくはわからなかったんだけどさ



彼女から感じる愛は本物で、それに僕の身体のために愛人ってやつになってもらって感謝している


だからゆっくり付き合ってはいるんだけど・・・・そもそも愛人ってなんだろうか?



「誰から?」


「エッサイ」



エッサイ神官長から?


あれ?僕こっちから向こうに行ってないんだけどいつの間に連絡とってたんだろうか


それとも僕に渡し忘れた手紙でもあったのかな?



「そちらは?」


「セー・オー、レアナー教国で聖王やってた、俺たちはゆーしゃの愛人だ!」


「「「愛人!!!??」」」



何に驚いてるんだろう?


驚くなら王様ってところじゃないかな?


そもそも教国には王様はいなくてもいいものだったらしいし、今はエッサイが神官長として教国をまとめている


でも王様のままだしこっちにいても良いのだろうか?



「あっ、そこは良いからいだだだだ?!!」


「良くないだろうっ!!?馬鹿甥!だいたい何人増やしてるんだ!!あんな若い女の子まで!!」



康介伯父さんがエシャロットの方に向く


エシャロットも少し驚いている、だよね?だって



「エシャロットは男の子だよ?」


「そうだ!関羽さんとか!なんで男と結婚して・・・え?エシャロットちゃんも男・・・男なのか??!!!」


「そうだけど」



せっかく終わりそうだったお説教が再開した


黒葉がすごく驚いている


両方の拳でグリグリと頭を挟まれて痛い



「うやましいぞー!息子ー!」


「あなた・・・??」


「し、詩乃?い、今のは場を和ませるための冗だいだだだだちぎれる??!」




父さんも一緒に酷く怒られた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る