第292話 問題「はるねーちゃんの好きな食べ物は?」


休憩も終わってダンジョンの先に進むことにした


問題が「はるねーちゃんの好きな食べ物は?」である



皆の目がこちらを見てくるが・・・うーん



「唐揚げ」


「唐揚げですね!それじゃあ・・」


「にんにくホイル焼き、餃子、ペペロンチーノ、まぜそば、鍋焼きうどん、豚キムチ鍋、牡蠣キムチ鍋、とんこつラーメン、チョコ、魚介つけ麺、チャーハン、餃子、焼売、肉まん、ピザまん「待った遥、それ全部かくの?」



そうだよね?


私でも多いと思うけど嫌いなものあんまりないし



「書くのはひとつなの?」


「わからない、です!でもどれか1つより、確率を上げる、です!」


「確率?」


「そう、です!」



指を指して扉にうっすら出ている模様を見る


なんだろうかこれ・・どこかで見たことのあるような?



「この迷宮は捕まったおじいちゃんの記憶から作られています!です!なので『おじいちゃんから見えるはるねーちゃん』さんが好きなもの、が!大事、かもしれない!です!」


「好きなものいっぱいあるけど・・」


「洋介おじいちゃんが『いつそう思った』のかも大事かも、です!」


「誰かに『はるねーちゃんはこの食べ物が好き』って聞いて印象に残ったり!食べてるところを見て美味しそうだなって見えてそれが印象付けられたり!『好き』って情報を知ったのが『時間』も大事!かも、です!」



指を立てて教えてくれるが困ったな・・



「うーん・・・ちょっとまってね」


「はい!です!」



つまり問題は「はるねーちゃんの好きな食べ物は?」だけど実際に私が好きなものが正しいんじゃなくて洋介が私が好きな食べ物と印象ついているものが答えなわけか・・・



うぅん、子供の頃だとしたら洋介の前で何食べてたっけ?コロッケを・・いや洋介にカレー最高!って激辛カレーを一緒に食べたことはある


けど初めからソースを練り込んだオリジナルコロッケや衣がなかったらカロリー減るんじゃないって揚げた肉も食べさせたりもしたし・・


いや、元の料理のほうが美味しかったな、あれは



「これまでは異世界の辞典を見て書いてました!です!」



不正解となった食べ物リスト


何語かも読めないものがあるが英語でローストビーフも入っていたりカレーやコロッケ・・・洋介に振る舞って美味しいって言ってたにんにく2個入れたパスタなら・・・!?いや、違うかな・・?


既に書いていた解答は20はあるし、間違ったらどうなるんだろうか?



「これ間違ったらどうなるの?」


「数時間は扉の色がかわって、入れなくなる!です!色が戻っても前の門か入り口まで一度戻らないといけない!です!」


「ひ、ヒントはなにかないの!?」



何だこの問題、理不尽すぎるだろう!?


大学でのサービス問題に「教授の好物を当てろ」って出るのと一緒だ


私は見たことがないけど他の大学では本当にそういう問題もあるにはあるらしい


試験なのに・・講義の内容と関係なくないか・・・


この問題は私が好きなもののはずなのに「はるねーちゃんの好きなものが問題」



私の好物なのになんで私が困ってるんだ!?



「ヒント、です?」


「うん、なんでも良いから」


「記憶に深く残ったものから出題されると神様に聞いてますです、なので昔から「この人といえばこれが好き」というように印象がついていたり「最近食べたもの」なども考えられる、です」



身振り手振りで頑張って教えてくれる


洋介にとって昔から私が好きなものと印象がついているもの・・・チョコだな、うん、確実にチョコだ


バレンタインの番組を洋介と見てて母さんに「あんたはようくんに何チョコ上げるの?」って洋介と一緒にいるのに聞かれて「私は洋介からチョコ貰うから上げない」って言ったことがある


テレビでは女性が男性にチョコを渡す習慣があるのは日本ぐらいだって内容だったしね


それからバレンタインになれば私が朝一で洋介にチョコを貰うことが定番になった


お母さんが凄い渋い顔してたのはよく覚えてる


詩乃おばさんと父さん達も



「まぁ・・ふつつかな息子ですがこのままお嫁にもらってください」


「「逆だろ」」



なんて言っていた




ムカついたので見返してやろうと母さんの使ってる材料で洋介に食わせたのだけど洋介は倒れた


私も同じものを食べたが問題はなかった


母さんにめちゃくちゃに怒られたなぁ・・・



「チョコ」と書こうと思ったが既にリストに書いてあることに気がついた


ヒント・・・・ヒントはないか



「うぅぅぅん」



どうしたら良いのよ

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