第219話 大事件勃発
「お母さん・・!」
「ありがとうございます!ありがとうございます!!」
今日は何十人治しただろうか?
寒くなってきたが患者は減るどころか増える一方だ
だけど治癒出来る数にも限界があるのも周知されたため無茶を言うものは格段に減った
何故か毎日土下座して謝ってくるテレビ局の人間はいるがかわらずテレビでレアナー叩きを流しているのは不思議だ、謝る気ないよね?
ビルに来るのは日本人だけではないがサシル様の加護のお陰でおおよその言語は話せるようになった
ふざけた内容を流すテレビ局に新聞には何がしたいのか全く理解が出来ない
言葉は通じるのに通じない
いつものように重症者を治していたのだけど、今日はなにかおかしい
腰を痛めていたのに治癒の影響でダンスを始めた患者のお母さん
別室に連れて行くように言って私よりも年上の娘さんに手を振っておく
「・・・あれ?」
確かめるために魔力を使うが気が抜けた炭酸みたいに散ってしまう
元杉神官からいつものように膨大な魔力が流れてこない
魔力が足りない?足りない事は今までにもあった
元杉神官がいなくて魔力の供給が少なくなったときはこうなる
地球に元杉神官がいる限りレアナー様の加護で魔力が途切れることはない
もしも異世界に元杉神官が行っていてもわずかながらに魔力は供給されるがそれすらない
それすらなくても魔力はある程度レアナー様の神像経由で貯められるしめったに途切れることはない
こういうときは自分の魔力をゆっくり練って治癒していく
元杉神官は世界各国に行くことはあっても連絡なしで異世界に行くことはあまりない
遥やヨーコに連絡するが知らないという、元杉神官にはつながらない
「レアナー様、元杉神官を知りませんか?」
<むー・・んー・・・・>
なにか腕を組んで唸っているレアナー様、こういう反応は見たことがない
昼ドラを見たりネットを興味深そうにしていたりと、少し俗っぽい神様なのにとても珍しい
<これは・・・不味いですぅ>
「というと?」
<お仕事中止ですぅ!城に遥たちを集めてくださいですぅ!!>
「は、はい!」
こんな指示は初めてだ
すぐにスマホで2人を呼び、レアナー教の中でもレアナー教内で働く人間限定で「緊急の可能性あり」と送信した
もちろん元杉神官にも連絡を入れる
徳田さんに言って車を出してもらう
田辺さんには神様の指示でレアナービルの停止を伝えた
後は田辺さんが一斉送信してくれるだろう、こんなこと初めてなので少し自分でもパニックになっていることがわかる
レアナー様を肩に載せて城に向かう
道中レアナー様にどういうことか聞いてもむーむーと唸っている
「元杉神官は大丈夫ですよね?」
<大丈夫、ですぅ?>
疑問形のように語尾が上がっている
まさか死んだり
<命は大丈夫ですぅ、でも、面倒なことになっているというか>
「どう面倒なのですか?」
<ん・・・・・もしかしたら、んー? かもしれないですぅ>
キキィっ!
そうタイヤが鳴った、徳田さんが動揺したのだろう
私も胸を抑えた、息がしにくい
<落ち着くですぅ>
あまりの出来事に一瞬眼の前が真っ暗になったようにさえ感じた
「もう、洋介くんに会えないかもしれないってどういうことですかっ!!!??」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます