第179話 騒ぎの中心
人だかりの中心を見ると僕がいた
背格好も顔付きも同じ、ちょっと違うが杖だって持っている
黒葉やヨーコはこちらを見てくるがねーちゃんはガチ切れしていたので飛び出す前に掴まえておく
「ちょっと様子見しよう」
「シィー!・・ふー・・・わかったわ」
歯を噛み締めたまま息を吐き出すねーちゃん怖い、魔力が溢れて目が光ってる
3階建てぐらいある建物の上から見ている
ここからは結構離れてるのにねーちゃんは目の前の動物を狩る獣のように今にも飛びかからんばかりの前傾姿勢である
はるねーちゃんはスパイたちや妨害する人に容赦がない
銃を持ってる人もいるし以前に僕を後ろから針で刺そうとした人がいたけど殴り飛ばした後にわざわざ腕を踏んで折っていたほどだ
怒らせるとねーちゃんは怖い
僕を通学路でいじめていた中学生をねーちゃんはタコ殴りにした事があった
ねーちゃんはそいつと同じ中学に通っていて、それも先輩だったらしい
いじめられた原因はあの人がはるねーちゃんを好きだったからだ
普段は美人なねーちゃんでモテるんだよね、このねーちゃん
広場を建物の上からよく観察する
よく似てる神官服を着た人間が数名、何を言っているかはわからない
僕にそっくりな人は台の上の更に椅子の上で座っている
「ヨーコ、仲間が何人かわかる?」
「多分あの男と、向こうの男も仲間ですわね」
見てみると確かに広場から離れているが神官服の男と眼で通じ合ってるようだ
<どうしますぅ?>
広場では多くの人がお金を差し出し、神官服の人に何かを渡されている
魔力も感じないしこんな活動を僕は認めていない
僕みたいにこちらに来た神官?
・・・それもない
最低限の魔力も技量も神官達からは感じられない
ちょうど良い
偽のレアナー教の活動の中心には僕の格好をした人が台の上にいて、その周りの人は少し離れている
僕は空を飛び、何かを言っている偽物を無視して杖で結界を張る
この大きな広場の誰も出さないように強く張る
尋問しやすいようにこの広場の人間が日本語を話せるように範囲魔法をかける
「げが」
「ダァッ!?」
「・・・!?」
はるねーちゃんとヨーコに身体強化や護りの魔法をかけてはるねーちゃんがわかりやすい神官服の男たちを、私服の男はヨーコに任せた
「で?なんでこんなことしたの?」
「来るならもっとはやく来いよコラァー!!!」
杖が届く距離だが杖を離してナイフを向けてきた偽物
突き出してきたナイフ
「えっ、あっ!??」
ナイフをひょいと奪い取り偽物とは別の場所にいる銃を構えたものに投げる
何言ってるかは分からないがナイフの柄を頭に当てた
悶ているがすぐにねーちゃんが銃を取り上げて何発も殴ってる
とどめを刺そうとしてヨーコに止められてる
「どっちが本物だ!?」
「かまわねぇ!ぶっ放しちまえ!!!」
「えっ」
別の車の中にもいたのか、偽物の向こう側から銃を持った男たちが現れた
壇上の僕とこの偽物にも銃を向けているがこの偽物もまとめてって気に食わないな
空を飛んでもいいが僕の張った結界に当たった弾がどこに飛んでいくかわからない
周りで悲鳴を上げている、信徒候補の人達が危ない
はるねーちゃんとヨーコは群衆に囲まれて動けそうにない
偽物を掴んで僕の後ろに回して【魔力障壁】を僕の後ろに張る
パタタタタタタタタタッ!!!!!
ダンダンダンダンダンダンダンダンダン!!!!!!!!
「洋介ぇーーーーー!!!??」
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