第164話 夏といえば反省だ
一昔前の詐欺宗教の謳い文句に思わず腹が立ってしまった
幽霊調査なんてマイノリティを真剣に話を聞いてくれて同士だと思ったのにだ
「くそっ」
年甲斐もなく苛立ってしまう、これが馬鹿な人間の喧嘩か
布団に入って寝ようとしているだが一向に寝られない
今日はもういい、明日になったら連中も出ていくだろう
PLLLLL!PLLLLL!
「うおっ!?」
この一年、親戚からしかかかってきたこのとない携帯が鳴った
職場の方は半年ほど前に調査中ですと明記しておいたし2年は誰からもかかってきてないから問題はないだろう
親族の訃報か?反射的に通話ボタンを押してしまった
「阿部さん?」
「少年か・・」
そういえばさっき電話番号の交換をして携帯を使い慣れてなかったのでやり方を教えるのにわかりやすく音を鳴らしてみせるのにマナーモードから戻したんだった
「幽霊見えやすくしたから今なら阿部さんが見たがってた幽霊も見えるかもしれないよー」
「なに?」
謝られたりするかもしれないし年齢を考えると私から謝ろうかと考えもしたのだが思いもしない言葉が帰ってきた
起き上がってモニターを見る
部屋は暗くしていたし眼鏡をかけていないのでわからない
「幽霊は害がないけど怖かったらさっきの広間まできてねー、それじゃー!」
「ちょっとま・・・・」
電気をつけて、目の前に女性が立っている
・・・・あ?
「そのまま!そのままで!!」
こういう時動けないかと思ったら普通に動ける、ハンドカメラを取り出して撮影する
モニターをチラリと見ると他にも多くの幽霊がいる、幽霊はぼーっと直立不動のまま壁の向こうに行ってしまった
今のは撮れた?巻き戻しても壁の向こうに行くのも映っている
「いぃよっし!!!!」
超常を目の当たりにして心は小学生のように沸き立っている
モニターを見るとカメラに多くの幽霊と、なんだ?さっきの女性4人もいて、なにやら幽霊に棒を振るっている?
棒があたった幽霊は消えた・・・?干渉できるのか!!!??あの棒は何で出来ている?あれか?修行の成果であるとか聖水を塗布しているのか?聖水の濃度は?液性は酸性?アルカリ性?なにか光って
あ、これ、不味い?
大男の幽霊が耳の長いケーリーリュさんの後ろから迫っている・・?
その地点の計器もこれまでになく温度が下がっている、危ない!!
廊下を出て走る
この旅館に泊まって3ヶ月、道など完全に覚えている
聖水と十字架と清められた塩とニンニクと木片のヒトガタと梵字の数珠を持って廊下を駆け抜ける
重い機材を持って運ぶのに筋肉はついた、だが全力で走るなど何年ぶりだ?
「はぁっ!はぁっ!!」
脇腹が痛い、喉から血の味がする
あの少年の言葉、なんと言ってたか
とにかく嘘じゃなかったのか、謝らないと
見つけた、ちょうどケーリーリュさんの後ろから大男の霊が迫っていた
間 に 合 え ! ! !
声は出ない、ケーリーリュさんは大男に気付いていない
大男の先にケーリーリュさんがいる、この角度ならケーリーリュさんには当たらない!!
安全対策グッズを大男の幽霊に向かってぶん投げた
「・・・・・」
「**!! *** **** ****!!!??」
あ、幽霊を貫通してケーリーリュさんに塩とかニンニクがかかってしまった
謝ろうとしたのだが息切れで声が出ない
ケーリーリュさんの姿がぶれたと思った瞬間、腹に衝撃が突き刺さった
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