第149話 話題の中心、国会中継


スマホに急に国会中継についてのニュースが流れた



・・・・・・・は?意味がわからんのだけど



国会なんて見るのは経済の分析家かテレビをつけっぱなしの人ぐらいで見るものではないと思うんだけど、なんかのバグ?


調べてみると別のSNSでもリアルタイムトレンドでぶっちぎった数字を叩き出している


国会中継が?


中継を見ると話題の洋介チャンネルの洋介がいた



あっ、うん、納得



洋介といえばちょっと前まで失踪し、その後帰ってきた時には正体不明の両親らしき人間が居たことが話題となっていた


洋介が魔法少女として発見され、ビルの発光などが見られ始めた辺りで時系列がニュースサイトでよく取り出されていた


魔法少女こと洋介が死亡した理由には両親ともに自動車事故で亡くなったというのはもはや常識だ



なのに生き返っている



本物か偽物か


怪しい宗教団体では死者が蘇ることについての詐欺というのは中世の時代から近代に至るまでよくあったという番組が放送された


この番組は名前こそ出してはいなかったが明らかに洋介関連の話である


テレビは著名人や人権団体の意見を取り上げた、内容はもちろんレアナー叩き


街頭アンケートの結果でも「死者の蘇生がしてもらいたいか?」や「生き返った人をどう思う?」などと聞いて煽る煽る


レアナー教過激派は連日連夜の洋介批判にブチギレたのは言うまでもない



放送されてその日付が変わる前には死に装束で火炎瓶を両手に持った男が捕まったという事件もあった


男はレアナー様の写真を持ってる以外にはライターしか所持品はなく、黙秘を貫いてた



議事堂には本物かどうかが疑問視されているお父さんとお母さんは来ていない


だけど巨乳の美人さんこと春日井遥さん、正体不明の小柄な外国人、そして大型のネコ科の獣も一緒だ


泥だらけのジャージの春日井さんとネコ科の獣が国会の絨毯に酷く似合っていない


謎の少女については立っているだけなのに仕草になにか気品を感じる



掲示板サイトも同時に見てみる



乗り遅れたけど洋介くんが話した内容は毎日何十件も議員にスパイに他の宗教家などなど来るからブチギレて乗り込んできたらしい、うん、意味がわからない


リアルタイムで喋ってことが掲示板に書き込まれるのは凄いな



安藤議員の主張は施設の閉鎖をして自分たちのところで治癒をするようにといいに来たらしい・・・・だから怒って連れてきたらしい


この議員についての過去の発言や支持基盤、家族についてどんどん情報が上がっていってる



家族、人間関係、年齢、娘がいる、娘は公務員禁止の時の安藤ではないか?


大学の論文、ダブルスタンダード、売国奴、講演会での内容、問題発言、コラ画像まで作られてる


しかもこれ、はいはいして立ち去ろうとしてるリアルタイムのやつだwww


別のコメントが増え始めた、机の上に注目・・・?


あ、小型のレアナー様がなにか食べてる!



ふんすふんす怒ってる洋介くんも可愛いけど手乗りサイズの女神様がマイクの横でなにか食べてるのも可愛い


だけど金髪の謎の幼女をズームでお願いします



爪楊枝に茶色い棒、え?あれ駄菓子かな?小さくてあまり見えないけど


宗教関連で無茶苦茶を言いに来たという安藤議員は四つん這いになって逃げている



画面の端のテロップに



-緊急の内容を放送しております-



って出るのを見ると本当に急に来たんだな



「じゃあ次に質問貰ったやつ答えていくよ」



ちょっと落ち着いたのかな?紙を取り出して・・・なんだ?固まった


マイクには入ってないが何が書かれてるんだろうか


泥だらけの春日井遥と話し始めて、あれ?読めないから教えてもらってる?・・・何この時間、放送事故では?



「ありがと、はるねーちゃん、まずは治癒魔法について・・本物です、次」


「治療効果についての副作用などについて・・・ふくさ・・・?治る、次!」

 


紙に人差し指をあてて答えている洋介


違う、そういう回答を聞きたいわけじゃないだろうww


いつもの洋介チャンネルのノリだがそういうことじゃない


くすくす笑ってる野党議員だが気持ちはわかる


対称的に与党議員は普段の背もたれに身体を預けるような姿勢ではない、全員が背筋を伸ばしてキッチリと座っている



「光の柱について・・・【清浄化】かな?あれは空気をきれいにしたり瘴気を減らしたり神官としての練習や力を示すものだね、悪霊も減るし綺麗にもできるし魔物も減らせるよ」



洋介チャンネルでも言ってたけど瘴気ってなんだろう?大気汚染のことじゃないよね?


いろんな質問が続くが洋介チャンネルでも聞かれてる質問ばかりだ


野党から1人、前に出てきた



「このルールはミャーゴルの聖獣です」


「いい加減にしてください、人を騙して恥ずかしくないんですか?だいたい魔法なんてあるわけないし躾ができているとはいえ国会の中に獣を連れてくるなんて前代未聞ですよ」


「僕は嘘ついてないんだけど、あなたは?」


「渡辺です、証明はできますか?」


「ルール、おいで、挨拶しよっか」



洋介が退いてちょこんと座っていた、超大型の獣が動き出した


マイクの前に出てきたルールと呼ばれる聖獣?


ノシノシと絨毯を歩いて、あまりに異様な光景に息を呑んだ



「コルルルル・・・オハ・・・・ルル・・・オハル・・・ヨウ・・ルルルルル」


「おーよしよしよしよしルール、よくできたぞー!」


「ルルルル!」


「「「「喋ったぁ!!?」」」」



喋った!!?熊のように大きな獣だが喋れるのか!??


そういえば空も飛んでいたし伝説の白虎じゃないかって話題になってる猫だ、喋れてもおかしくはない


ルールっていうのか、洋介に頭を擦り付けて可愛い



「うん、神様に近いからね、まだあまり話せないみたいだけど」


「そ、そうですか?」



だけどあまりの大きさからきたキグルミ説も有力になってきたな


喋れるとか逆に怪しい


洋介は嬉しそうに撫で回してるがそれに気付いているのだろうか?


それにしても神様……?やっぱり白虎に近いのかな?


国によっては騒いだり毛皮が欲しいとかいう人も多そうだ


それより衛生とかに保健みたいな部分は大丈夫なのか?



「じゃあ次に、ヨーコ、自己紹介お願いして良い?」


「それよりも元杉、ここはなんですの?」



次に出てきたのは幼女だ、金髪の、日本語話せるんだ


可愛らしく通る声をマイクが拾ってくれた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る