第126話 地球よ、僕は帰ってきた!!


そろそろもう良いだろう


日本に数台しか無い検査機器で体を隅々まで調べ、正常と言われた内臓の一部を腹に開けてまで検査した


なのに今も検査検査と続けている、他の患者はもう全員帰ったのにだ


ストレスで禿げそうだ、フサフサだけどそう思う



もう答えが出ている



最近は外国人の医者まで増えてきたし、哲学のように「今の元杉康介は本当に元杉康介であり、本物の元杉康介なのか?」とまで聞かれる


頭がおかしくなりそうだ



登仙病院での生活もかわった



部屋にもテレビ局で使われそうなカメラが数台遠慮なく置かれている、もしかしたら心霊現象か何かの調査をしようとしているのかもしれない


このまま逃げ出したい


だがもしも逃げようとしたのを見つかれば「精神に問題がある」とか言って拘束具でもつけられかねん


最早、身の危険すら感じる始末だ


洋介にやっと連絡がついたので迎えに来てもらうことにした



今いるのは一番豪華な個室・・と言っても監視付きで外には警備員もいる


退院の許可は取ってないし揉めずになんとかしたいが、無理だろうなぁ



来るといった時間に病院着で待つ


一応普通の服もあるが着替えている間に看護師や医師に見つかるとまずい



予想に反して静かにドアがノックされて入ってきた



「しつれーしまーす」



色んなことをやらかし連日トップニュースにまでなっている洋介


この甥っ子のことでもうこれ以上驚くことはないと思っていた


だけど死ぬほど驚いた、今なら検査でなにか引っかかりそうだ



「久しぶり、兄さん、老けたね」


「お、おま」


「へへ!」



足を確認してしまった、ある!幽霊じゃない!!


足を触って、全力で栄介の頬を叩いた



「いってぇええええええ!!!??」


「お義兄さん!?」


「お、おおおおお前の葬式したんだぞ!!!????けっこうグチャッとしたやつ!!???」


「伯父さん、とにかく病院出ようか」


「あ?洋介?またお前の 仕 業 か !!」



弟の栄介、それと弟の嫁の詩乃がいる


葬式では親父に代わって俺が死亡の確認をした


ミンチのように顔面が変わっていた


激しい事故だったし遺体は見ないほうが良いとも言われたが人違いという可能性も捨てたくなくて、2人が生きていると信じたくて見てしまった


何度夢に出たことか



俺は俺の頬を叩き、洋介にもげんこつした


洋介は動く布で俺を拘束し、窓から出ていった、空中を



空飛ぶ、なんだ、白虎?に乗る女の子3人


それと俺と栄介と詩乃は洋介の乗る杖に吊るされた、飛んでるのに、え、このほうが安定するって?



「どういうことだ説明しろ!?」


「それよりも高い!?洋介!下飛んで!」


「あらあら、洋介、もっと飛ばして、あ、でもでも、安全運転でね~」



やっぱり俺は医者に怪しい薬でも飲まされてるのかもしれん


いや催眠術も捨てがたい、光る玉を見ながらなんか色々話すようにやられたもん

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