第124話 ちょっと疲れた


首が落ちたオークを見て、見慣れた人を見て安心した


結界が解けたので外の逃げようとするオーク共に【清浄化】を打ち込み、味方の多い場所に【体力向上】や【幸運】を打ち込んでおく


【清浄化は】地上で使えば明るいし、敵は弱る


味方に軍隊もいるなら後は任せて収納に散らばってる武器をしまっていく


毒付きの武器や聖剣はなくすと後がめんどくさいしね



「ねぇ、わたくしになにかいうことがあるんじゃなくて?」


「久しぶり、僕もう倒れそうだから、ここ任せて良い?」


「もう、仕方ないですわね、おねーさんに任せてくださいまし!」



相変わらず小さいなと口に出しそうだったが黙っておく、前は口に出して一日中ほっぺを突かれたことがある



来てくれたヨーコは小人族の王女だ


僕よりも拳一つは背が低く、幼い顔つきをしている


明るい金色にほんのり緑色の混じるような光り方をする変わった髪の色で毛先がフワフワとしていて目につく



歳上らしいが歳は教えてくれない


素早くて魔法も強いし味方だと頼りになる


だけど討伐の旅では初めは敵同士で大変だったなぁ



周りを見渡すと戦況は良いね


兵士が圧倒的優勢、僕の周りには遠巻きに神殿騎士たちが武器を抜いて警戒してる


アイテムを拾い終わってみんなが集まってるところに行く


怒りまくってるねーちゃんの周りに集まってる神殿騎士や神殿長、近づいてアイテムの【魔力障壁】を解く


即座にほっぺをつねられる



「いひゃいよねーひゃん」


「私が何を怒ってるかわかるかしら?」


「元杉神官無理しないでください!」


「聖下、後は兵士に任せて我らは神殿にひきましょう」


「まひゃひゃへへりゃいりょーう?」


「はい、ではこちらへ・・」



うねりうねりとほっぺを引っ張り回されたがなんとか離してもらえた


外なのに天蓋付きベッドを出されたので倒れ込むように寝ころぶ、外なのに


はるねーちゃんと黒葉も投げ入れられてきた


「揺らさないようにな!」

「撮影用魔道具は起動したか!」

「凱旋じゃー!」


この大人たち、ろくなことしないな、録画用の玉もある



「黒葉、ごめん、あの玉取って」


「これですか?はい」



黒葉から受け取って収納に入れてる、録画限定だし音声も入らない


そして高価だし数も少ないからこれの効果を知らない人は多い、愉快犯共め



ベッドで横になって、天井を見て、自分の右腕をおでこの上に載せる


僕の左右に分かれた2人も座ってくれた



「ねぇ、ふたりとも」


「なによ」



「ごめんね、ほんとに」



見せる顔がなかった


僕の勝手でこっちに来て、なのにこんなに危険にさらしてしまった



「仕方ないですよ、怖かったですけど、悪いことをする人が悪いんです!元杉神官は悪くないです!!ちゃんと私達を助けてくれましたし、へへ、かっこよかったですよ」


「そうね、それよりも大丈夫なの?寝ときなさいよ」


「わかった・・・ねぇ、はるねーちゃん」


「なに?」


「はるねーちゃん達守れるようにもっと頑張るよ」


「・・・・さっさと寝なさい」



久しぶりにこんなに戦って、全身がふわふわしてる


精神的に疲れてたしすっと寝れた








ドアがバタンと開けられた音で僕の意識はちょっと覚醒した


だけど夢の続きを見ることにする、ちょっと疲れてるんだ、もう少し寝たい



「わたくしはヨーコルノリア・メレニ・フォプセ・ケメヌ・セセ・マリュニャロ・ガムボルト・マルディですわ、以後お見知りおきを」


「長い」


「元杉にも同じことを言われましたわ、私もそう思いますけど」



訂正、やっぱり逃げようかな

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