第122話 決着
このオーク、何度斬っても、何度刺しても、倒せない
このままいくらでも戦えるが怖いのははるねーちゃんたちだ
倒れたままの黒葉を引きずって決闘の場の外に出そうとしているが出せていない
焦れてなにかしないと良いんだけど
だけどいずれ決着が付く、そのためにもオークの脇の下から肘を撫で切って離れる
この毒も効かないか
チーテックの加護を授かれば超人的な身体能力に抜群の持久力や回復力を得られる
毒の耐性も上がるのだろう
もう結界の外が暗い、どれだけ戦ってるいたのだろうか
「俺こそが、俺こそが次の王だ!!!ウォオオオオオオオオオオオラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
チャンスだ
剣を振るい、僕は胸を槍で突かれて、腕に噛みつかれた
剣も叩き落され、僕は槍に串刺しのままオークのすぐ目の前で吊るされている
狙い通りに
「洋介ぇっ!!!!!」
「ヌゥ!?」
オークが勝鬨をあげて隙きを見せてくれているのはわかった、だからあえて乗ることにしたんだ
はるねーちゃんも驚かせているようだしさっさと決める
落とした武具の数々を[カジンの捕縛布]で拾ってオークの全身を刺す
袖や服の下から8枚出し、8つの武器でオークの体にどんどん刺していく
「きさっ!?グアァ!!?っっ!!!????」
僕の腕を噛んだオークの顎を上顎ごと下から刺して閉じた
「これぐらい、慣れてるんだ」
言ってみて苦しくてしゃべりにくい、僕も胸を貫かれてるしな
僕の服の下には棘付きの[カジンの捕縛布]がいくつも巻き付けてある
魔力で好きに動く便利な魔道具だ
僕の身体にさえ巻き付けておけば好きに使える腕が増やせるし腕や足がちぎれていても代わりだってできる
鼻の効くオークには使えないかと思ったが漂白の効果はすごかったようだ
僕を引き離そうともがくオークの身体にも巻き付けて動きを縛り、僕の腕がはいったままの顎にも巻きつけていく
腕が潰れるのがわかる
自分で自分の腕を砕くのは気分のいいものではない
ジャジャジャ!!ドズンッ!!!!
だがこれが狙いだ
いくつもの[カジンの捕縛布]を操作し、地面をひっかいてピンボールのようにはるねーちゃんたちから一番離れた結界の端にオークを連れて行く
一瞬結界にぶつかったせいかオークの縛りが緩んだ
オークの抵抗は激しく、僕は人形のように殴られるが捕縛布に遮られて大したダメージはない
思わずにやけてしまう、ここまでうまくいくなんて
もがくオークと目が合う
なにか言いたげだがこれで終わりだ
無事な腕で胸に刺さった槍を引き寄せ、オークに頭突かんとばかりに近づく
狂人を見るような目でオークの目が僕を映した
魔力を全力でオークの口の中の腕に集中し、オークの頭を吹き飛ばした
誰かが呼んでる気がする
はるねーちゃん、と、黒葉?
何を言ってるかはわかんないけど泣いてるのはわかった
「は ねー ゃん る らいつ かな?」
「 」
なにか言ってるがうまく聞こえない
ただ地面に寝て、頭を撫でられてる、気はする
すぅっと意識が上がってきた
「ふたりとも・・・・けが、は・・・・・・ない?」
「あんたが傷だらけじゃないっ!?」
「私たちは大丈夫です!それより元杉神官が」
周りをよく見ると僕は結界の端の二人のところまで吹き飛んだようだ
胸の槍も抜けてる、この鎧はもうだめだな
「グゥガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
まだ、オークは生きてるみたいだ
僕の腕が効いたのか顔から煙が上がっていて見えない
向かってくることだけはわかる
僕も立ち上がって武器を出す
頭も叩きつけられたからか、まだ腕がないせいかバランスを崩して膝をついてしまった、すぐに生やす
「私も戦うからね!奈美は洋介見てて」
「嫌です!わた、私も!」
「良いから結界から出ないで」
すぐに【魔力障壁】を出すだけの魔道具を取り出してはるねーちゃんたちの前に使った
後ろではるねーちゃんが怒っているが仕方ない
[カジンの捕縛布]で周りの武具を巻き取って斬りかかる
僕の体を動かす必要があるから2本は減らしたがとどめをさせそうな武器を選んで突撃する
立ったままだったオークも両手を上げて向かってきた
片目もなく、顔に穴が空いて瀕死だろうが治ってきている
「ガアアアアアアア!!」
「君は、強かったよ」
オークに向かって命を断つべく武器を振るう
この一瞬で決着がつく
「相変わらず詰めが甘いですよ、元杉」
僕がオークを殺す前に、オークの首がはね飛んだ
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