第64話 洋介と送迎


イライラしていた


国の人が洋介怒らせてから洋介に大丈夫かメッセを送っても通知がなかった

それは良い


大学で私を見た誰かが私のことを漏らしたのか匿名で私に



-大学にいたのって春日井さん?ね?治ったならデートしない?-

-二人で会えない?-

-10出すよ?-



などとゴミどもがふざけた通知を入れやがったからだ


即ブロックした、だが後でまずいとも思った


ブロックせずにミュートにしておけば彼らにとって私の生死は不明のままだっただろう


大学はもう前期のカリキュラムは中途半端だし後期から戻る、もしくは1年休学するかで迷っている


私を裏切った春樹と真莉愛、それとサークルの主流メンバーは4年だ


奴らがいなくなってからの大学のほうが良いだろう、ムカつくけどね、でも逃げた気がしてそれはそれで嫌だ



「はるねーちゃん、お出かけしない?見に行きたいのがあるんだ」


「はいはい」


「家で待ってて!おめかししておいてね!」


「わかった」



いつでもすぐ行動するあの子だ、いつ来てもおかしくはない


急いで準備しないとって電話を済ませた



ん?あれ?これデートか?



ちょ、ちょっとはしっかりしないとな?


ちょっと焦ったけど洋介に治してもらってからの私は無敵に近い


すっぴんで軽く言ってモデルを超えている


肌は水を弾いて輝くし、唇はリップのCMに出てくるような艶やかさだ


化粧をすると逆効果になるほどで洋介の魔法がいかにすごいのかが伺い知れる



普通にこれ戦争起きるだろ



たまに母ですら私を見て生唾を飲んでいるのが笑える


洋介にはおねーちゃんと呼ばれてるがおにーちゃん的に見られてるフシはある


いつもの活動的なデニムよりも女性らしさがほしい


買ったは良いけど自分にはまだ早いし似合わないかなと思っていた新品のシャツワンピースに袖を通す



うん、もうモデルだね



自分でも街で見かけたら多分目で追っちゃう、いやこれ自分なんだけど


すぐに洋介は来たが相変わらず人を驚かせてくれる


黒塗りのお高そうな車でやってきた、運転手付きの



「はるねーちゃんいこ」


「うん」



徳田さんというご年配の運転手さんは総白髪で礼儀正しくドアを開けてくれた


背筋がとてもまっすぐしていてとても優しそうな印象を受ける


今日は1日この車で送迎してくれるらしい



行き先は陸斗に任せてるという洋介、誰だろ


最近の洋介の話を聞くと昨日BBQをビルでしたらしい


何食べたのか聞くとカニみたいな魔物となんかの肉って言われた



ビルについてチェックすると・・・やっぱりネットに上がっていた「巨大甲殻類ビルに現る!?」短時間だったらしいが暗いビルの屋上からやけにピンクなカニのような足が少し垂れ下がっている写真が見える


どう見てもコラ画像だが多分真実だなこれは



「いひゃいいひゃい」


「またやらかしたでしょう」


<仲いいですぅ>



洋介のやらかしは際限がない、だけどまぁ魔法も使えるしなんとかなるんだろう


私もこのレアナー様について詳しくなろうと色々聞いておく


未知の宗教だ、悪い宗教ではないと聞いてはいるがあの時の洋介は本気で怒っていた


どこに地雷があるのか、知っておいて損はない


レアナー様の前でレアナー教について聞くのも変な感じはする



だがこの2人、いや2人って単位でいいかは分かんないがちょっと色々と雑い


逆に詳しく法学部のように「何条何項がー」って言われるよりかは良いだろうが主神と神官がこれで良いのか?


私もなにか洋介の助けになれることが見つかったように思える



「着きました」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る