第19話 事故物件


病院に行くと結構な騒ぎになっていた


伯父さんやはるねーちゃんを探すもなかなかいない



「先生っあっちの患者さんも治 っ て ま す !!!!!」


「なにぃ!!???」



歩いてると壁に大きな穴が空いてた


廊下の一部が通行止めになってる、あそこ行きたかったのに


オークでもでた?



「なんだろ?」


<早くお菓子食べましょー>



探してると昨日信徒になった人たちがいた



「こんちわー!」


「こんにちはー」



どうやら検査で忙しいらしい


色んな人治したしこっちの医学?じゃ無理でも治したからねー


癌や半身不随、腫瘍などなど、急に治っても「はいそれじゃ退院です」とはならないらしい


戦場で怪我を直して「はい、きみの獲物だよ」って魔物の方向教えるとかじゃなくてこっちじゃ検査ってのがあるのか・・



「教皇はん?でいいのん?」


「教皇・・?あ、こっちの偉い名称ですよね、まだ決まってないんで洋介で」



話しかけてきたのは太ってるおじさんで昨日治した1人


胡散臭さが顔からにじみ出てる


確か半身不随?だったかな?腰から下が動かなかった人だ



「わかりました、洋介はん、わては金道為臣いうての、土地転がしで儲けてん」



かなみちためおみ、どんな字を書くんだろう?


朝に看板を作ってて思ったけど結構漢字忘れてるなぁ



「土地を転がす?」


「そう!あっちの土地をゴーロゴロ!こっちの土地をゴーロゴロ!てな!」



よくわかんないや、そういう職業があるのかな?



「洋介はんはようわかってないみたいやの」


「うん、よくわかんないや」


「まぁえぇ、子供はそんなもんでちょーどえぇ、でな?洋介はんに払うもんでビルなんてどないやおもての」


「ビル?」



この人は財産の半分を寄付し、信徒になってくれた人だ


ビルって言うと何階建てだろう?


ビルをもらうなんて初めてだし気になる



「せや、ようすけはんは信徒がほしいんやろ?」


「そうですね」


「物置でも集会所でもええけど使えへんかなおもての」



たしかにそうだ、ぼくんちは結構小さいしこれから何人も信徒を増やすのによくないと思う


神殿ってどこかに余ってないかな?



「助かります」


「それで事故物件なんてどや?洋介はんの力でパーっとできるならそれも宣伝ならんかとおもての!」


「事故物件ってなんですか?詳しくお願いします」


「そっからか・・・」



詳しく聞いてみると誰かが自殺したりとかその部屋や建物に住むと不幸が起きつづける物件ってのがあるそうだ


そういうのは収入にならないし手放したいらしいのだが何でもその物件は住んだ人だけじゃなくて所有者が手放しても不幸になるらしい


曰くがついてる建物でもお祓いができるならそれを動画で撮影すれば宣伝効果が期待できる?らしい



「それにな、一等地にあるんや!」



スマートフォーンを見せてもらうと目の前に公園があって駅前である


詳しく聞いてみると駅は人の流れも多いしとても目立つだろうとのこと


うん、いいね



「やります」

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