スパイのお引越し

佐伯僚佑

スパイのお引越し

 土鍋の蓋を開けたら『私の隠し事』という表題の手紙が出てきた。

 彼女がこの部屋を出て行ったのは、もう二か月前になる。正確には同棲というよりも、彼女がこの部屋に入り浸っていたようなものなので、別れた、と言った方が正しい。

 とにかく、僕と彼女は恋人でなくなった。僕も仕事の関係上、そろそろこの街を離れることを予感していたので、名残惜しかったが引き留めなかった。予感は的中し、僕は異動を命じられた。この住まいも引き払い、明日、次の仕事場がある街へ引っ越す。

 そんな引っ越し前夜に、まさかこんな手紙を発見するとは。

 彼女は少なくとも二か月以上前にこの手紙を隠していたことになる。隠し事を書いた手紙を隠すとは念が入りすぎている気がするが、どういう内容だろう。

 正確に思い出してみる。あの日は隣の引っ越し作業が賑やかだった。彼女は時間に融通が利く仕事で、僕は平日に有休を取った。二人で、この部屋で昼間から映画のDVDを見たのだ。その際、ガタゴトと荷物を運び出す音が聞こえたことを覚えている。

 僕は別れを切り出すタイミングを窺っていたし、彼女もそれを感じていた。映画を何となく冷めた気持ちで見て、僕たちは静かに別れを決めた。

 スマートフォンのカレンダーを遡ると、それは二か月と三日前だった。立て続けに入居者がいなくなって大家は苦い思いだろうが、悪くない物件だ。きっとすぐに次の人間が住む。

 大家の心配よりも、今は目の前の手紙のことを考えよう。心当たりは、実はある。僕はスパイだ。中でも僕は企業スパイ、特にIT企業の潜入調査が専門である。開発やメンテナンス部門にエンジニアとして入社し、働きながら機密情報を盗み出す。僕にとっての異動とは、目的の情報を盗み出して任務完了したことを意味する。

 さて、そんな僕の元に残されたのがこの手紙である。もしもここに、「あなたがスパイであることは気づいていました」と書かれていたら厄介だ。仮に彼女が潜入先に僕のことを密告していた場合、僕は偽の情報を掴まされた可能性が高まる。ミスがあったらすぐに報告しろ、というのがスパイ業の方のボスの方針だが、信じてはならない。スパイにはハラスメントなどという良識は通用しないのだ。どんな処罰を受けるか知れたものではない。

 午後十時十分。いつまでも封筒に書かれた丸っこい字だけを眺めているわけにはいかない。僕は意を決して封筒の上部に鋏を入れた。


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寿人君へ

 あなたがこれを読んでいる頃、私はもうこの街にはいないでしょう。

 隠していましたが、私はスパイです。

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「ええっ⁉」

 思わず、一度は開いた手紙を伏せてしまった。夜中まで残業した際、部長のパソコンに不正アクセスしたときよりも鼓動がうるさい。

 彼女もスパイだった?

 僕は丁寧に梱包したパソコンに目をやった。クラッキング用にカスタムした僕の一番の仕事道具。当然、セキュリティは考えうる限り高めてある。彼女のITリテラシーでは絶対に突破できないと思って触れられる場所に置いていた。

 もしも全て演技で、コンピュータに詳しくない振りをしていたとしたら。本職のスパイならば、むやみに自分の全力を見せないものだ。

 頭を抱えた。

 基本的には、彼女を部屋で一人にはしていない。だが、僕が寝ている間、パソコンは無防備だ。そうでなくとも鍵の形取りなんて十秒で済む。風呂、トイレ、合鍵を作るチャンスはいくらでもあった。

 事実上、僕の素性は彼女の前に差し出されていたも同然だったのだ。あとはセキュリティに期待するしかないが、彼女が去って行ったということは、僕と同じく、仕事を終えたということだろう。もう、手遅れなのだ。

 この手紙の最後に「なんちゃって、冗談でした」と書いてあることを諦めながら願って、僕は続きを読む。


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 隠していてごめんなさい。本当は最後まで言わないつもりだったんだけど、もう、会うことも、私を見つけることもできないと思うから。

 私はとある組織から依頼を請けて、ターゲットについて調査するためにこの街に来ました。でも、毎回のことなのですが、ターゲットに接触することは簡単ではありません。住所、勤務先、通勤経路といった型通りの情報は集められますが、知り合いになり、親しくなる段階はいつも苦労します。

 相手の趣味嗜好に合わせてなんとか仲良くなるのが常なのですが、今回のターゲットは一番難しい、インドアで、休日もほとんど外出しないタイプでした。

 仕事を始めて一か月経っても、私はターゲットに接触することができませんでした。相手も探られる腹があるのか、やけに慎重に行動していたのです。

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 ふむ。たしかに僕は休日であろうとあまり外出しない。職業柄各地を転々とするため、一か所に留まって親しくなる友人もいないし、何かのクラブに所属することもない。基本的に家でパソコンゲームや読書に興じ、夕飯時になったら食事や酒を嗜みに出かける。

 申し訳ないとは思わないが、僕と自然に接触することは簡単でないと認めざるをえない。僕は企業スパイなのでそうした接触工作に縁は無いが、彼女のようなタイプには切実な問題だろう。意図せず天然のスパイ避けになったといったところか。

 僕たちが出会ったのは最寄り駅付近のバーだった。僕の数少ない趣味は日本酒の飲み比べで、転勤先で日本酒バーを探してはご当地銘酒を楽しむのだ。そこで彼女に声を掛けられた。今にして思えば、彼女の努力が実った瞬間だったわけだ。


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 苦しい日々の中、私はついにチャンスを得ました。あなたは覚えているでしょうか。私たちが出会った日のことを。

 作戦を何度も変え、あの日、ようやくターゲットに接近することができたのです。浮かれないように気をつけましたが、もしかしたらバレていたかもしれませんね。その態度があなたを口説き落とせる要因になったのだとしたら、怪我の功名です。

 あなたは、話すととても知的で、思いやりが深いことがわかりました。丁度いい大人の距離感で、さりとて私を拒絶もせず、正直、理想的でした。顔も結構好みだったので、こうして離れなければならないことが悲しいです。因果な職業でごめんなさい。

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 浮かれていたのは僕も同じだった。彼女はこれまで付き合ったことがないタイプだったけれど、可愛らしく、一人で生活する時間が長い僕にとってとても眩しかった。それもスパイとしての手腕だったのかもしれないが、僕はまんまと落とされた。

 嘘か真かわからないが、僕のことを好みだと言ってもらえたことは、多少なりとも救いになる。

 苦笑が漏れた。

 苦しい慰めだ。スパイとして、自分の素性と秘密すら守れなかった僕の失態を、感傷的に自己正当化しているにすぎない。

 手紙は続く。


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 ターゲットに接近できた私は、情報を集めるために……余白が足りないので、続きは次の手紙に書くとします。パソコンの中を調べてみてください。

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「なんでだよ」

 僕は小さく叫んだ。どうしてそこで区切る。彼女は何をした。何を見て、聞いた。

頭を抱えて部屋の中を動き回る。

 僕はこの部屋からボスに報告を上げている。電話することもあれば、メールの場合もある。IT技術としての暗号ではなく、アナログな暗号を使って文章をやり取りするため、ただ盗聴されるだけでは痛くも痒くもない。しかし、その符丁自体を盗まれていたら筒抜けだ。

 どこまで知られた。そして、手紙はどこだ。

 僕は、一度は梱包したパソコンを再セットアップし、電源を入れた。起動すると、パスワードを求める画面になる。ここを突破することは難しくない。隠しカメラでキーボードや手の動きを映していれば、察することはできる。重要な階層には、僕のスマートフォンと連携した二段階認証に加え、手製のセキュリティソフトが守っている。メジャーでも便利でもないが、開発者である僕でないと突破することは難しい、頑丈さだけが売りのソフトだ。

 必然、機密性の低い階層になんらかのテキストが残っていると思われる。ならば、不審なファイルがないか、検索しよう。

 記憶領域をさらう簡単なスクリプトを作成し、実行した。結果が出るまでしばし待つ。

 その間、ボスへの言い訳を考えた。控えめに言って、精神衛生的に非常に良くない時間だった。


 五分後、不審なファイルは見つからず、一仕事終えたコマンドラインだけが黒く光っていた。

 恐れていたことだった。ITに通じた者ならば、馬鹿正直にテキストファイルとして残す必要はない。何かのプログラムに埋め込むこともできるし、暗号化し、数字だけにして表記することだってできる。

 彼女が、僕の認識を越えて技術力を持っていた可能性が高まった。

 時刻は午後十時半。引っ越し業者が来るのは明日の午前中。この部屋に何か、僕について調べた結果を残すような遊びを彼女がしていた場合、引っ越し作業が終わるまでに見つけなければならない。

 現実的に、真実を明らかにするタイムリミットは今夜だ。

 僕は一旦心を鎮めるため、そして集中力を上げるため、コーヒーを淹れた。ここから先の作業、ミスは許されない。

 立ち薫る香を吸い込んで、椅子に深く座る。

「さて、やるか」

 気合を入れ、僕はメモ用紙とペンを用意し、開発者用の、ソースコードが表示されるソフトで目に付いたファイルを開いた。中身を目視で確認し、不審な所がないか調べる。終わったファイルとフォルダをメモ用紙に記入する。それを全ファイルでやり抜く。書かれた時期が不明な以上、ファイルの更新日時から絞り込むこともできない。どんな形式で書かれているかもわからない。自動で調べるプログラムを作る時間は無かった。

 根気、それはスパイにとって何より必要な能力だと、僕は考えている。コツコツと、淡々と、逐一と、遅々と、無心で無欲で無我の境地で目を動かしてコーヒーを飲む。

 そして、四時間が経過した。

 僕は遂に、最後のファイルを確認した。

「無いじゃねえか」

 何も無かった。後に残ったのは、メモ帳に書き連ねられた膨大なファイルの名前と眉間に響く眼精疲労由来の痛みだった。コンピュータの中を総ざらいするなんて僕も初めてのことだったので少し勉強になることもあったのだが、今はそんな呑気なことを言っていられない。

 天井を仰いだ。疲れた頭で机に置かれた彼女の手紙を見やる。そもそも、この手紙を見つけなければ良かったのだ。知らなければ、僕は堂々と次の仕事に向かえた。仮に後で偽情報を掴まされていたと知っても、そんなことはスパイ業界では稀にあることで、相手が上手だったと諦められる。今、まだ何かできそうなタイミングであるが故に始末が悪い。

 食器を整理していたとき、一人用土鍋の蓋を開けたら手紙が入っていたときは驚いた。どうして蓋を開けてしまったんだ、四時間少々前の僕。そのまま引っ越し業者に預けてしまえば良かったのに。

 そんなことをしても、数日後に発見して慌てふためくだけだと頭ではわかっている。ただの八つ当たりだ。

 彼女はどうしてよりによって土鍋の中に隠したのだろう。滅多に使わないから、いつ開くか知れたものではないのに。普段使いするものならばもっと早く見つけられたのだが。

 そのとき、重い脳に何かが鈍く閃いた。

 滅多に使わない土鍋。開けた蓋。「パソコンの中を調べてみてください」だと?

 彼女は、パソコンのデータを調べてみろとは言っていないじゃないか!

 パソコンの中と言われれば、通常は電子ファイルの形態を思い浮かべる。だが、パソコンはれっきとした物品であり、形がある。僕のマシンはカスタムした自作パソコンで、ストレージ、メモリ、CPU、電源系、その他パーツを買ってきてケースに収めた筐体だ。

 パソコンの中、それは、ケース自体の中ではないのか。

 まずはパソコンの電源を切り、ケースの蓋を留めているネジを外していく(ドライバーを見つけるために段ボール箱四つを開けた。こんな形で必要になるとは思わないじゃないか)。思い入れ深い我が相棒を分解し、コンポーネント一つ一つを取り出していく。埃を被っていたので、ついでに拭き取った(クリーナーを見つけ出すためにさらに段ボール箱を三つ開けた。こんな形で以下略)。

 コードの一本に至るまでバラバラに分解し、とうとう見つけた。ケースの天板にテープで貼り付けられていたそれは、SDカードだった。

「いつの間にこんな所に」

 彼女がこっそり僕のパソコンを開けている姿を想像すると、似合わなくて笑えた。思い出してみれば、こういう悪戯をする人だった。朝、身支度をして腕時計を着けようとすると、いつもの場所に置いていたSEIKOの腕時計がミッキーマウスのお土産品に変わっていたり、財布からポイントカードを出そうとしたら僕の寝顔の縮小写真が代わりに差さっていたり。

 どうせなら君の写真にしてくれ、と不満を言ったものだ。最後まで彼女らしいといえば、その通りなのだった。

 さて中身を見よう。僕の最新機種スマートフォンには、そういえばSDカードの差込口がない。ならばと顔を上げてげんなりした。パソコンは、今完全に分解したばかりなのだった。


 丑三つ時。幽霊が出ると言われる時間帯だが、僕にとってはスパイが物理的な活動をする時間帯でもある。徹夜の残業をするような炎上プロジェクトはハッキングにもってこいだ。セキュリティが甘くなる。何となく社員間の距離が縮まって、秘密の話をしだすのも深夜が多い。職場内のどろどろした不倫、恋愛関係の話は使い道があるので、よく聞き耳を立てる。

 今日はスパイである彼女の幽霊に振り回されているようなものだ。せいぜい化かされてあげよう。

 分解したパソコンをせっせと組み立て、再び電源を投入した。待ちに待ったSDカードの中身を開く。幸運なことに、パスワードはかかっていなかった。


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 ここまで到達したこと、おめでとう。寿人君なら見つけられると思っていました。さすが私の元彼氏だね。

 今回の私のターゲットは、ある企業に潜入したスパイでした。私は詳しくないけれど、機密情報を盗み出す仕事だそうです。それを悪く言うつもりはないですけどね。私だってハニートラップを使いまくるふしだらな女ですから。

 さて、私がしたことですが、隠しカメラと隠しマイク、それに通信傍受機をあちこちに仕掛けることでした。最近のマイクは凄くて、壁越しの隣の部屋の音まで拾えます。しかも、すっごく小さいの。聴診器を壁に当てて盗み聞きした時代が懐かしいね。個人的にはスリルがあって、昔の方がドキドキしたのだけど。まあ、それはいいです。私の覗き魔的な性癖は置いておきましょう。寿人君は気づいていたかな。この家には合計で二十一個のデバイスが仕掛けてありました。

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「二十一個⁉」

 一体どこに。当然、今は全て撤去されているのだろうが全く気付かなかった。スパイとして情けない。自宅だからといって警戒心が緩みすぎだ。

 覗き魔的な性癖とやら、心当たりがある。彼女はよく僕の寝顔の写真を撮った。週一以上は少なくとも撮っていただろう。半分くらいは気づいていたけれど、デレデレした顔で写真を眺めているものだから大目に見ていた。気づかれていないと思っていたとしたら、間抜けなスパイだ。僕も大概だけど。

 それにしても、盗撮までされたのだが不思議と腹は立たない。彼女ならいいか、と思っている自分がいる。

 想像する。もしもお互いがスパイだと知っていたら。

 僕たちは特定の相手と深く付き合わない。そのセオリーを覆し、スパイ同士の恋人になれたのだろうか。他の男にハニートラップを仕掛ける女性と付き合えるほど、僕の器は大きいのだろうか。

 難しかったと言わざるを得ない。仕事に理解があるとはいっても、独占欲が勝ってしまうのはわかっている。

 今夜、彼女の手紙に振り回されたこの街最後の思い出は、正直、あの頃に戻ったようで楽しかった。悪戯に戸惑う僕を、今も彼女が笑って眺めているようで、胸に小さな痛みが流れた。

 彼女のことを何もわかっていなかった僕だけど、彼女の全てが嘘だったわけではないはずなのだ。スパイだって、そういうものだ。

 いい加減眠くなって欠伸を零した。目を拭う。スクロールバーは彼女の手紙の終わりが近いことを教えている。

 なんとなく笑みを浮かべたくて、僕は唇に力を入れた。


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 ターゲット、ターゲットとまだるっこしいですよね。ここまで読んで、寿人君はもうわかっていると思います。

 今回の私の仕事は、そう、寿人君のお隣さんを探ることでした。そのための色んな仕掛けを打つには、寿人君の部屋がうってつけだったのです。ターゲット本人は部屋から出てこないし、両隣も上下階も入居者がいて、なんとか物理的にターゲットに接近するために寿人君と仲良くなる作戦を取ったというわけです。

 ちゃんと、スパイされていた自動車部品製造会社にリークして、偽の情報を掴ませましたよ、凄いでしょ。彼が鼻高々に仕事を終えて街を出て行くようなので、私も任務完了。もう次の仕事も決まっています。

 それでは、システムエンジニアさんも大変でしょうが、スパイよりはましだと思います。お体にお気をつけて。

 p・s・ この手紙は読んだら燃やしてください。ずっと私のことを覚えていてくれたら嬉しいです。ま、こんな告白をした女を忘れられるわけがないでしょうけどね。

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 今は無人となっている、隣の部屋がある方向の壁を唖然として眺めた。

「あっちもスパイだったのか」

 込み上げてくる笑いを低く漏らし、土鍋を緩衝材で包んで段ボール箱に収めた。

 すっかり散らかり尽くした部屋で、僕は少なくとも安心して寝不足になれるようだった。


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スパイのお引越し 佐伯僚佑 @SaeQ

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