第57話 進海 蒼と川遊び

あの事件から約1ヶ月後、異世界に来てから4ヶ月と1週間、王子は謹慎を解かれ反省したのか大人しくなった見たいだ。

が今日はそんな関係なく。


「川だよ!お姉ちゃん」

「アオと川遊び、楽しみ」

「いぇーい!副団長事シャイニも居ますよ!」

「皆さん元気ですね!」


セリアさんまで!そう今日は川遊びに来たのだ!暑い...。

名目上はシャイニ副団長に魔法を教わるって事になってる(前に言って居た王様に頼んでた件)。

この世界にも季節感はあるようで今は夏らしい、ただ日本に居た頃よりは高温多湿では無いので体感、楽な上暑さも耐えられる暑さだ。


「川に着きましたよ」

「運転手さんありがとうございます!」

「馬や場所は私が見ておきますので皆さん楽しんでください」


男の運転手さんはそう言い日陰に馬と馬車を移動させたのだ。


「『シャインウォール』」

「凄いですね!」

「僕も始めて見たから驚き」

「更衣室代わりになるんですね」

「そうだよ!私的にも気に入ってるんだ!」


シャインウォールの中に入って皆んな着替え始める。


「アオちゃんはタンクスーツなの!?」

「恥ずかしくて...」

「僕はクロスホルタービキニだよ」

「私は!三角ビキニだ!」

「私は慣れてなくて...」

「えー!アオ様もったいないですよ!あ!エリアス様お手伝いしますね!」


三角ビキニはよく海で見るような水着で、俺が着るタンクスーツはラッシュガードに近い肌面積の少ない水着だ、クロスホルタービキニは聞いた事も無いが...首にかける紐がクロスした形の水着のようだ。


「皆んな私より胸大きいし...」

「アオも大きくなるよ」

「まだ若いんだから!だ、大丈夫よ!」

「アオ様...」


励まされる分ダメージを食らう、セリアさんは哀れみの目を向けてくるが辞めて欲しい。

全員着替え終わったので、シャイニさんが魔法を解除した。


「私は釣りしてますね!」

「アオ遊ぼ」

「分かったよ」

「私は周囲の警戒してるわね!」


遊ぶというので水を漫画やアニメで見たようにかけるのかと勝手に思って居たが...。


「じゃあ行くよ?『フライウォーター』」

「え?」

「ほい」

「私はを守って!『ウォーターシールド』」

「流石アオ」

「遊ぶって水魔法使って遊ぶのね...」

「そうだよ?」

「じゃあ行くよ?『ウォーターボール』」

「え?」


パァンとウォーターシールドにウォーターボールがあたり辺りに音と水を撒き散らす。


「『ウォーターボール』『ウォーターボール』」

「えぇ!私を守って!『ウォーターウォール』」

「むぅー」

「まさか2魔法詠唱して来るなんて...」

「自信あったのに」


エリアス先輩かなり強くなってるな、デュオスおばさんは風と水魔法複合で使えはしたが強いゆえに縛りで2魔法までしか使えなかったらしいのだが、普通ならそんな事は無く2魔法、3魔法と魔法を使いこなせばもっと多く発動出来るようになるのだ。


「『ウォータールーム』」

「(よくよく考えたら今回名目上魔法の特訓だし割と何でもありなのか?)」


■■■■■


「皆さん!お昼ご飯です!魚焼けましたよ!」

「疲れた...」

「僕は楽しかった」

「ご飯!?行くよ!」


火で炙られ、岩塩がかけられている。


「美味しい」

「美味しい、セリアさんありがとう」

「私も!助かるよ!」

「いえいえ!」


夏を感じさせる緑に生い茂った葉達は太陽を浴びてよりいっそう綺麗に見える、川は透き通り太陽をキラキラと反射させていた、空は青く澄み渡り白い雲が風になびかれ進んでいる、たまには何も考えずに幸せを噛み締めて、皆んなと楽しくおしゃべり出来たのは嬉しかった。

明日からはまた見回りだけどそれでも今日という日を大切にしたい。

こうして夏の記憶の1ページに幸せな思い出が刻まれたのだった。

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