第38話 進海 蒼は教会の人と話す

王と話した次の日完全復活とは行かないがかなり回復したので、良かったには良かったのだが今日いきなり教会の人が来るみたいで、元々来るとは言っていたが日にちの指定はしていなかった見たいだ。

日本人だから時間には厳しいので、時間も日にちも指定しないのは如何なものかとイラッとするが、ここは日本では無いので仕方ないのだろう。


「セリアさん今日の予定とかは?」

「今日の事は団長さんは事情を知っているので、エリアスさんの事もお気になさらないで下さいね!それで今日の予定なのですが、どうやら午後から教会の人が来るそうです、偉い人ではあるんですけど、どれくらいの地位の人かまでは分からないそうですよ!」

「勇者の話を聞く訳だから地位が高い人が来るのは確かに自然だね」

「はい、ただ具体的に今回の話し合いは決まって無いので、アオ様のご負担にはなってしまいますね」


しかしまさか教皇が来る事は無いだろうからな、司教とかぐらいの人だろうか?

適当にフライウォーターを使いながら遊んで居るとお昼の時間になっていた。


「アオ様、水魔法の練習ですか?」

「そうそう」

「お花の形ですか!可愛いですね、何の花ですか?」

「クリスマスローズって言うんだ、知らない?」

「知らないですね、クリスマスってそもそも何ですか?」

「無いんだね、異世界には冬にそういう事をする文化があったんだよ」

「どんな文化かは知りませんが楽しそうですね!」

「人によっては楽しくない文化だったよ...」

「色々あるんですね」


この後食事を済ませ、一息ついた所で30分後に教会の人が来るとの事で、ドレスに着替える事になった、最近ドレスばっかり着てる気がする...。


「出来ました!今日は白寄りの薄いピンクにピンクの花をイメージしたドレスですよ!可愛いです!」

「このドレス綺麗だね」

「ですね!そろそろ時間なので行きますかアオ様」


こうして俺とセリアさんは応接室に向かう事になった、勇者と使用人以外は入れないらしい、ホムラが先に来ていたようだ。


「アオっち!やっほ」

「ホムラは元気そうだね」


応接室で4人で待って居るとノックの音が聞こえた。


「はーい」


セリアさんがドアを開けに行った。


「おお勇者様ですかな?とても感激しております!」


そう言って明らかに教会の人が部屋に入って来たのだ、鎧の護衛を2人連れて。


「初めまして勇者様方、私の名前はカラーバ教枢機卿すうききょうのフェアルビーと申します」

「私の名前はアオです」

「俺の名前はホムラだ!よろしく!」

「アオ様にホムラ様ですか、よろしくお願いします」


男の枢機卿かところで枢機卿って何だろうか?謎である、日本だと宗教に詳しく触れなかったのでどれくらい偉いとか分からない。


「本日はわざわざ私の為に勇者様方の貴重なお時間をとらせてしまって申し訳ない、早速本題なのですが、勇者様方は我が主から天啓を得ましたね?」

「はい」

「そうだよ!」

「私にどんな天啓を得たのか教えては貰えないでしょうか?」

「ホムラからね」

「任せてくれ!」


ホムラはそのまま神託を話始めた、話の内容は昨日と変わらないが、フェアさんは笑顔で聞いていた。

教会では神を主と呼んだり、天啓と言ったりややこしいので統一して欲しい感が凄い、そして俺の番が回って来たが、特に問題無くほぼ一緒の事を聞いたと答えたのだ。


「お二人共仲が良くていいですね!偶然同じ質問をされているとは!」

「ええ」

「では私から質問をさせて頂いてもよろしいですかな?」

「はい」

「ドンと来い!」

「勇者様方は教会にご興味はおありですか?是非とも入会して貰えたらこちらとしても嬉しいのですが!」

「ちょっと...」

「よく分からない!」

「そうですか...では勇者様方は何を目標に魔王を倒すのですか?」


平和に終わると思っていた教会との会話は不穏な空気を見せるのだった。

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