外伝3 エリアスとプルート
僕がまだ6歳だった頃に妹は生まれた、僕は妹が出来て嬉したかったし、その時はパパもママも幸せそうに喜んでいた。
「念願の女の子2人目だな!サダル!」
「ええ貴方!これで家は安泰ね!」
「僕の妹?」
「そうですよ、エリアス」
この時に2歳下の弟、ナイルは既にあまり良い扱いを受けては居なかったけど、でも食事は一緒に食べていたし、変な差別は受けて無かったはず、そして妹のプルートの待遇もとても良かった。
プルートの扱いが酷くなったのは僕が11歳の頃、プルートの魔法の適性検査を協会で受けた事だった。
「プルートの魔法が無い!?そんな訳無いじゃない!」
「奥様落ち着いて下さい」
「落ち着いて居られる訳が無いでしょう!」
「私、どうしたの?悪いことしたの?許してお母さま」
「有り得ない!何でなの!?私にしがみつか無いで!」
僕はこの時遠目から見てる事しか出来なかった、でも衝撃的だったから今でも覚えてる、妹のプルートをママが叩くのを。
今でも僕はたまに夢に見る、妹を叩くママを。
そして妹の魔法が無いと分かるやいなや、僕のトレーニングの量を増やした。
毎日6時間だったトレーニングが12時間に増え、家庭教師の人も凄い怒るようになった、僕は学校に行くことも許されなかった。
妹はご飯を食べる時、部屋で食べさせらるになり、会話も会うことさえも許され無くなった。
子供だから理由が分からなくて、聞いたらプルートは女の子なのに代々魔法使いを継いできた家系なのに魔法使いでは無いからと言われた、その時の僕はよく分からなかった。
■■■■■
僕はママの目を盗んで、たまに妹の部屋まで遊びに行く事があった。
「プルート来たよ」
「お姉ちゃん!」
「シー、ママにバレちゃうよ」
「ごめんなさい」
「いいよ、よしよし」
「お姉ちゃん、えへへ」
「絵本読んであげるね?」
「うん!」
こうして遊びに行っていたのを、メイドさんから告げ口されたのか分からないけど、いつも通り目を盗んで妹と遊んでいたら、ママが怒鳴りながら入ってきた。
何を言っていたのか、あんまり覚えてないけど妹の絵本が破かれて、妹が叩かれた「あんたが誘ったんでしょ!?」とママは妹に向かって言っていた。
妹は「ごめんなさいごめんなさい、許して下さい、お母様」と言っていた、僕が「僕から誘ったんだ」と言ったら、ママは「エリアスは悪くないはこの子が悪いのよ」と返してきた、僕はそれ以来妹の部屋へは行かなくなった。
そうして、15歳になったある日、僕はユリカ魔法使い騎士団へ入るように、ママから言われた。
「エリアスは優秀だから、だからねユリカ魔法使い騎士団の入団試験を受けなさい、きっと騎士団団長にもなれるわよ、一番になりなさい」
「ママ、分かった」
「期待しているわよ?」
「はい」
「あなたもいいわよね?」
「あ、ああ」
こうして僕は、ユリカ魔法使い騎士団の入団試験を受けて1回で合格した、同期と子よりもいい成績を残して。
「あなた凄いのね!」
「僕?凄くない、と思う」
「え」
「嫌味?」
「違う、僕、一番になれ言われた」
「はぁ?」
「あっち行こ」
「どうして?...」
こうして僕は同期から、嫌われた、ママは褒めてくれたけど、僕は嬉しく無かった。
何かされる事は無かったけど、ご飯も入浴も1人になった。
■■■■■
入団から約1年たったある日、青い髪綺麗な女の子が入ってきた、その子はアオと言う子だった。
副団長さんから新人の教育を任された、アオは可愛いて、毎日が楽しくなった。
僕は時折妹の事を思い出す、だから妹見たいならないように、僕はアオの為にも頑張る事を決めた。
だから僕はアオを守る為に死んだとして後悔はない。
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