第14話 進海 蒼は団長から話を聞く
「好きな場所に座って貰えるかな?」
俺は入口付近にあったソファーに座った。
「アオ様の事は姉のメェーニヤから聞いている、伝説の勇者様だとな、だからと言って訓練や規則、扱いは他の団員同じように扱わせて貰う」
特別扱いすれば何らかの支障が出るし俺は当然だと思った。
「これからの予定についてだが、アオは水魔法だと聞いている、なのでまずは魔法を使う訓練や体力作り、魔法学の勉強をおこなってもらう」
「体力作りですか?」
「アオは体力作りが必要無いと思うか?」
「いえ、気になっただけです」
「まあ新人は毎度疑問に思うので仕方ないのだが、どうしてか教えてあげよう、魔法使いと言っても、剣士や魔獣に距離を詰められる場合魔法だけで戦う場合大抵負ける、それは魔法は詠唱を名前が短いとは言え正確に行わないと発動しないからだ」
魔法にはそんな弱点があったのか、口を塞がれたり、途中で名前を間違えたらそれだけで命取りなのか。
「その近距離戦闘を有利に進める為に体術と棒術または杖術とも呼ぶ、近距離格闘技術が必要になって来る、その為に体力作りを行うのだ、もし勝てない相手の場合なら逃げれるだけの体力は必要だからな」
「だから体力作りが必要なのですね」
「だが基本は近距離では戦うなよ?剣士や魔獣と戦う場合素の力では絶対に勝てん、腕を掴まれたりしたらまず振りほどけないくらいには力に差があるからな、基本は逃げろ、その為の体力作りだ」
「はい」
「念を押して言って居るのに理由がある、過去に騎士団で起こった話なのだが、街を巡回中に盗みを働いた剣士遭遇したのだ、なのでそこに居合わせた4人は2つのグループになり別々のルートから追い込む作戦をたてたのだが、先走って近距離戦闘を行った馬鹿者が居たのだ」
「それでどうなったんですか?」
「その子はその盗人におもちゃにされた上に殺されたよ、駆けつけた時にはダメだった、だから体術や棒術を身に付けても、近距離戦闘は出来るだけしない様に」
「はい...」
その子は甘く考えて居たのだろう、負けるはずが無いと、俺も同じようにならないとは言えるだろうか?この話を教訓を俺は忘れてはならない、その亡くなった子の為にも。
「後これをアオ、君にあげよう」
そう言いシィーニャ団長が取り出したのは、青の花が付いた白いヘヤピンを渡してきた。
「新入団員にはこのヘヤピンを渡して居るのだ、アオは髪の色も青色だから似合うだろう、この花は青のカーネーションがモチーフなのだ、これから君はユリカ魔法使い騎士団の団員だ!君の活躍を期待してる!」
「はい!これからよろしくお願いします!」
「では後は副団長のシャイニに指示を受けてくれ、きっと朝礼をやった場所にまだ居るだろう」
そうして俺はシィーニャ団長の話を終えた、白いヘヤピンを髪に付けて。
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