第131話 新たな門出
2008年3月
未だ信条錬は目を覚ますことはなかった。
肉体的には入院の1か月後には完治し驚かれていたが、精神的なものに思った以上のダメージがあったせいで目を覚まさないのだろうということだった。
大きな戦いがあった翌年、錬の学友達は卒業を迎えた。
様々な進路を目指して、新たな道を目指して。
錬と同じくハバキリのメンバーだった者たちも、一同に魔皇に進学することになっていた。
信条錬も進学は決まっていないが、成績と類まれな功績により出席日数は足りていなかったが学友たちと共に卒業となった。
2008年 10月末
春、夏、秋と巡り、冬に差し掛かる時期になった。
錬の眠る病室で花瓶の花を変えに来ていた少女はゆっくりと話しかける。
瀬那「錬さん…あれから1年経っちゃったよ…。皆、3年後の戦いに備えてるけど、やっぱり他の国の人たちはなかなか信じてくれないみたい。瑠衣様も困ってたよ」
うつむきながら話す瀬那。当然、錬からの返事はない。
瀬那「ねぇ、錬さん…皆やっぱり強がってるけど、何処かあなたを必要としてると思う。だから…」
詩織「瀬那、そろそろ…」
瀬那「はい…」
2人が病室を出ようとした時だった。
「全く…ゆっくりもできないのか…」
その声に2人は振り向くと、ベッドの上で目を開けてこちらを見ている人物と目が合う。
詩織は瀬那の背中をとんと押すと瀬那は彼の元へ駆け出した。
第四章完
最終章 彗星戦争編へ続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます