第6話 落石注意



 見上げていると、こぶし大サイズの石が落ちてきた。


 あたりどころが悪かったら、怪我じゃすまなかったかもしれない。


 どうやら天井のすみっこにひっかかっていたものが、風にでも吹かれて落ちてしまったようだ。


 その光景は、この部屋に長々といられない現実をつきつけてきた。

 

 家の屋根から落ちてきた、様々なサイズの石・岩の塊は、家の家具やらを押しつぶしている。


 よく見なくても分かる。


 こんな所で、まともに生活できるわけがなかった。


 私達は、早急に別の寝床を探す必要があるようだ。


 しかし、困った。


 両親は仕事で不在。


 親戚の家の扉を叩こうにも、自分一人でというのは気後れしてしまう。


 友達の家?


 そんなものはない。


 病弱令嬢だから、あまり人と接してきていないためだ。


 こういった時、どうやって行動すればいいのだろうか。


 というか原作ではこんな事はなかった。


 他の……罪もない一般市民の家が被害にあっていたというのに。


 前世の知識を持って私という存在が、何らかの形で原作の流れを変えてしまったのだろうか。


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