第5話 屋敷半壊



 クラリネッタ邸 内部


 祭りの雰囲気を感じながら屋敷に帰宅したら事件が起きていた。


「あ、お嬢様。大変な事が!」


 慌てた様子で使用人たちがこちらにかけよってくる。


 私は天井を見上げた、玄関の天井を。


 けれど、そこには青空が広がっていた。


「……」


 特報!


 家に帰ったら、屋敷の風通しがよくなっていた。


「これは一体、何が」


 何が起こったと言うのでしょうね。


 私の私室にも、ぽっかりと穴が開いているらしい。


 他の部屋も確認したが、天井にぽっかりと穴が開いている。


 全部上の階がない部屋ばかりだ。


 このクラリネッタ邸は、上に高い屋敷ではなく平べったくて広い屋敷なので、一回部分が多い。


 それが、あだになったようだ。


「もしかして、これは……」


 私は、前世でやった乙女ゲームの内容を思い出す。


 冷や汗を流しながら、苦労して原作知識を引っ張り出した。


 確かこの時期、町の上空を透明化した古代遺跡が通過していた気がする。


 もしかしてそれのせい?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る