210話 面接6
第212章
「あなたがEOPAN・FRを志願したことをいくつかの言葉でまとめてください(Résumez-moi en quelques mots votre candidature EOPAN・FR)」
「はい。第一にとにかく空を飛んでみたいということです。空を飛ぶということ、これは昔からの私たち人間の夢だったのではないでしょうか。私たちは地上にへばりついて毎日生活しているのです。空を自由に気持ちよさそうに飛んでいる鳥たちをおそらく昔の人たちはうらやましく眺めていたに違いありません。これが現在はもう実現できたのです。私たちはついに夢がかなったのです。空を飛ぶことができるようになったのです。そこで次の夢が登場してきます。それは消極的に空を飛ぶことではなくて、積極的に空を飛ぶということです。つまり自分で自由に空を飛ぶということです。自分で飛行機の操縦をするということです。ほかの人が操縦する飛行機に乗せてもらうのではなく、自分で操縦するということです」
「しかし空を飛びたいというのであれば海軍でなくてもいいではありませんか。陸軍や空軍でもいいではありませんか。空軍はもちろんですが、陸軍でも飛行機はあります。陸軍でもパイロットになって空を飛ぶことができますよ」
「はいもちろんわかっております。どうして陸軍や空軍ではなくて海軍なのか。それは海があるからです。私は、特に海の上を飛びたいのです。あの大きな果てしない海の上をです。船で海の上を渡るのも素敵です。しかし飛行機で海の上を渡ることもまた実に素敵なことだからです。海軍はこの両方の性質を持っているからです。船と飛行機です。船で海を渡ることと飛行機で海を渡ることの両方のことです。このようにして海軍は私の両方の希望をかなえてくれるからです。ですからもしパイロットが無理でも海軍に入ることができればそれだけでも私の希望は実現されます。船に乗れるからです。船であの大きな海を渡ることができるからです」 つづく
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